ワインを知ろう、深めよう(その1VARIETY)

先日小さなお客様から「ワインってなぁに?」と質問をいただきました。

ワインとはなんだ?

ワインはざっくり言うと、葡萄果汁を発酵させたお酒です。

紀元前8000年前頃から現在のグルジアがあるコーカサス地方で飲まれていたとされますが、初期は天然の石のくぼみか何かの中に葡萄果汁が溜まり、自然発酵したのものを人類が発見して飲んでみたら良い気分になったのが始まりでは無いかと言われています。

 

紀元前8000年って日本は何をしていたと思いますか?

縄文時代前期で貝塚や土偶、どんぐりクッキーを作っていました。

それはともかくワインというのは

大変歴史と伝統のある飲み物で、聖書やギリシャ神話にも多く取り上げられています。

ちなみにキリスト教の中でパンはキリストの肉体、ワインはキリストの血とされ、非常に重要なポジションにあるのですが、旧約聖書をよく読むと再三にわたって「適度なワインは力をくれるけど、飲みすぎはみっともないですよ。過ぎたるは及ばざるが如し」と現在と変わらぬ至極適切な教えを説いてあることが伺えます。

 

ワイン、ビール、日本酒、ウィスキーの違い

大きく分けてお酒は

・醸造酒

・蒸留酒

・混成酒

の三つがあります。

 

醸造酒とは「原料を酵母によってアルコール発酵させ、そのまま飲む」お酒

代表的なものにビールに日本酒、ワインがあります

 

蒸留酒とは「醸造酒を蒸留したお酒」

ジンやウォッカ、ラム、テキーラ、ウィスキー、ブランデーもこの種類。

 

混成酒とは「上記の醸造酒や蒸留酒に草根木皮、薬草、香味、果実、糖分などを混ぜたお酒」です

 

さて、ワインはビールや日本酒と同様、醸造酒の仲間ですが、仲間との大きな違いがあります

それは…

ワインは造ろうと思えば葡萄だけでできるお酒であるということ。

 

日本酒の原料はお米。ビールの原料は麦。どちらもでんぷんです。

醸造酒は原料を酵母でアルコール発酵させ…と書きましたが、酵母は糖分を二酸化炭素とアルコールへ分解します。

お米や麦はまずアルコール発酵に必要な糖分をでんぷんから作り出すため炭水化物を糖化させる行程が必要になるんです。

どうするかって?

それは水や麹を加えるんですね。

 

だから、ビール製造にも日本酒にも水が必要で

日本酒は水が美味しいところが美味しいといわれるゆえんです

ワインはその地方の飲み水が飲めないくらい美味しくなくたって作ることができる。

 

その分、原料となる葡萄のコンディションがそっくりそのまま出来上がるワインの品質になるということです。

 

ワインのキャラクターをわける4つのV

それにしても、ワインショップに行くと全く千差万別のワインがあって、

一見何がどう違うのか見分けるのは大変難しいことですよね。

そんなワインの個性を決定付ける要素を4つあげるとすると

 

1、VARIETY (多様な葡萄品種)

2、VINYARD LOCATION (ブドウ畑をとりまく環境)

3、VINTAGE (収穫年)

4、VINTNER (作り手)

 

こうなります。

 

今日はそのうちのひとつ、VARIETYについて少し掘り下げてみましょう

 

VARIETYはここでは原料となる葡萄品種を指し、世界には1000品種を越えるワイン用の葡萄品種があるといわれています。

中には同じ葡萄であっても国によって、地方によって名前が違ったりして覚えるのも一苦労。

そこで、覚えるとなかなか便利と思われる、最も有名なベスト7をここでご紹介いたします。

 

<白ワイン用葡萄品種>

・シャルドネ

・リースリング

・ソーヴィニヨンブラン

 

<赤ワイン用葡萄品種>

・ピノノワール

・メルローと、カベルネソーヴィニヨン。そのブレンド

・シラー

 

シャルドネ

非常に素直で「あなたの色に染まります」という性格の葡萄です。

絵画で言うと真っ白いカンバスみたいなもので、そこからどのような作品に仕上げていくかは産地や作り手によって臨機応変にかえていくことができるというのが特徴です。

有名なシャブリやシャンパーニュの多く、カリフォルニアの有名白ワインはシャルドネで、多くは樽で熟成されバターやバニラ、トーストのようなこおばしいリッチな香りと味わいを持ちます。

北のほうでつくり、ステンレスタンクで熟成されると青リンゴやレモン、ライムのような香りと、すっきりした味わいになります。

そして、南の産地からはトロピカルフルーツのようにリッチな香りのワインができあがります。

リースリング

リースリングは強い酸とアロマティックな香りをもつ高貴品種のひとつ。とても長く熟成していく実力を持っていて辛口から最上級のデザートワインまで造られます。

ドイツやアルザス、オーストリアが有名、アメリカでもつくられています。

リースリングの香りの特徴は白い花やはちみつ,

そしてドイツのリースリングの長期熟成型のものはけっして不快ではないキューピー人形のような石油製品の香りも感じられます。

ソーヴィニヨンブラン

多くははつらつとした酸のあるハーブの香りの爽やかなワインを作り出します。

最近では樽で熟成されバニラのような香りのするものもありますが、大抵はすっきりした強めの酸を感じ、グレープフルーツやキウイフルーツをまんま食べているような爽快感が特徴。

ロワールや北イタリアのソーヴィニヨンブランはハーブやミネラルの香り、

ニュージーランドなど南の産地の物は熟した柑橘類、桃やメロンのような香りといわれます。

赤ワイン代表はこちらの4つ

 

ピノノワール

世界中のワインファンを魅了してやまないワイン用葡萄品種の王様だといえます。

官能的ながら透明感があり、上級の物は類稀な気品を漂わせています。

ロマネコンティに代表されるブルゴーニュの他にも、北イタリア、オレゴンやカリフォルニア、そして近年ニュージーランドでもすばらしいものができますし、シュペートブルグンダーという名前でドイツのファルツで長命のワインが造られています。

ワインをつくる誰もが生産したいとあこがれる品種ですが、栽培は難しく

日本ではまだまだ難しい葡萄品種なのではないでしょうか…。

若いものはラズベリーやイチゴ、さくらんぼなど赤い果実の香り

年をとると枯葉やスパイス、なめし皮のような複雑で魅惑的な香りを放つようになります。

カベルネソーヴィニヨン

そして、メルローとそのブレンド

カベルネソーヴィニヨン、メルローそれぞれそれだけで作られるワインももちろん人気があります。

が、これらをブレンドして、より複雑で個性を出したワインつくりも行われているので、ここで二つを一緒に載せました。

 

カベルネソーヴィニヨン、メルローともにフランス、ボルドー地方が最も有名ではないでしょうか。

5大シャトーといわれる高名なワインはカベルネソーヴィニヨンを主体に作られていますし、

高級ワインの代表、シャトールパンやペトリュスはメルロー主体です。

他にもイタリアのスーパートスカーナ。カリフォルニアの高額なガレージワイン

日本でも現在多くのワイナリーのフラッグシップはこれらを使用しています。

また世界中でこのブレンドから低価格で飲み応えのあるテーブルワインがつくられ、超高級ワインからスーパーに並ぶお手軽ワインまで、最も多様に作られ、広く知られる葡萄とブレンドだと思います。

 

カベルネソーヴィニヨンは豊かな渋みがありチョコレートやタバコ、黒い果実を連想させます。

雨の多い年や若いものにピーマンを連想させる野菜の香りがあり、これは好みのわかれるところ。

メルローはカベルネにつながる香りを持ちますが、カベルネよりも早く熟す関係から香りや味わいがワントーン柔らかく、熟した黒い果実や干しプラムなどのイメージを持ちます。

シラー

オーストラリアでシラーズとよばれていて、元は同じものだといわれています。

黒いくらいの深い紫色、内にこもるような渋みと黒い果実の香り

フランスのローヌ地方のように冬の寒さの厳しい地域で黒胡椒やスパイスの風味のワインが。

オーストラリアの暖かい地域でポートワインのようによく完熟したワインがつくられます。

太古、ワインはギリシャでは松脂や蜂蜜を入れたり、水で割って飲まれていました。

日本のように何も足さない、何も引かないことが良いという概念は少なかったといえます。

他の地域のものを混ぜることも普通でした。

それが、現在では他地域のものを混ぜるなんて基本的にはご法度。

ワイン愛好家が望むからか、単一品種でワインを作られ、売られることも増えましたので

どーんとボトルに葡萄品種が書いてあるものを選べば、その葡萄の持つ個性を知ることも容易です。

 

葡萄はそれぞれ、粒の大きさや皮の厚み、香りが違いますので

それだけでも

ワインの個性を作り出してくれるんですね。

 

ぜひ、ここに書いた葡萄を覚えて酒屋さんで言ってみてください

いろいろ飲み、そして、好みを探ってみましょう。

くれぐれも

予算を伝え忘れるのを忘れないようにしましょう。

 

次回はふたつめのポイント、VINYARD LOCATIONです。

※情報は2015.5.20時点のものです

伊藤 治美さん

福岡市のレストランでソムリエとして勤務。2014年度公式ベネンシアドール(スペイン、ヘレス地方の特産品であるシェリー酒の専門職)認定試験に合格。福岡県内で2人目のベネンシアドーラ。シニアソムリエ、チーズプロフェッショナルの資格も持つ。プライベートでは2児の母。

伊藤さんのインタビュー記事⇒http://fanfunfukuoka.com/people/19834/

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