【N氏の観劇日記】市川猿之助が華やかに舞う「博多座二月花形歌舞伎」<昼の部>(2017.2)

2017年2月13日(月)11:00開演

博多座二月花形歌舞伎<昼の部>

博多座二月公演は、毎年恒例の花形歌舞伎。歌舞伎公演は昼夜で演目が替わるのがまた一興。

【N氏の観劇日記】博多座二月花形歌舞伎 <夜の部>(2017.2)

座席に腰を据えてまず目に入るのが黒・柿色・萌葱(もえぎ)の三色が並んだ定式幕。舞台に向かって左手には花道が設えてあり、頭上には提灯が並んでいる。ひと月前にミュージカルが上演されていた舞台とは思えない変わりよう。さすが、博多座だ。

一つ目の演目は『男の花道』。

江戸後期を舞台とした、歌舞伎役者・加賀屋歌右衛門と名医・土生玄碩(はぶげんせき)の友情を描いた物語。

失明必至の眼病を患い、役者生命を失う危機に立たされた当代一の女形・加賀屋歌右衛門を救ったのが無骨ながらも人情厚く、医者としての信を貫く男・土生玄碩。

その土生玄碩が絶体絶命の窮地に追いやられた、まさにその時。加賀屋歌右衛門はどう動くのか!…というところがこの舞台の大いなる見どころ。

“人の道”とは何か。

“約束”とは何か。

その問いかけが、観客の心に迫る。

“公約”がいとも簡単に破られる世の中。

「あなたには命がけで守るもの、守りたいものはありますか?」

舞台上から痛烈なメッセージが放たれる。

舞台、花道、客席を多角的に、そして効果的につかった演出に加え、劇的な場面を盛り上げる独創的な音楽もまた素晴らしく、「思わず目頭が熱くなる」という瞬間を久方ぶりに味わえた舞台だった。

休憩時間は館内ロビーを散策。

色とりどりの舞台写真の特設展示もあり、感動が呼び起こされる。

二つ目の演目は新作舞踊『艶姿澤瀉祭(はですがたおもだかまつり)』。

今回の博多座公演のために創作されたオリジナルの演目。

歌舞伎で舞踊の演目というと、「幽遠な音楽に優美な舞い」というイメージを抱いていたが、このステージはその先入観を根底から覆す、奇想天外、変幻自在な構成。まさにザッツ・エンターテイメント。

「歌舞伎は難しいものじゃない。目で耳で、そして五感で楽しみ味わうもの」

そのメッセージを強く感じた。

2012年12月に十八代目中村勘三郎、13年2月に十二代目市川團十郎、そして15年2月には十代目坂東三津五郎が相次いで逝去。歌舞伎界の屋台骨ともいえる偉大な役者を失い、失意の底に落とされた歌舞伎界を支え、そしてその人気を盛り返している立役者の一人が市川猿之助その人だ。

昨年4月に博多座で演じられたスーパー歌舞伎「ワンピース」を例にとるまでもなく、あくなきチャレンジを続ける姿に心打たれる。

その脇を固める俳優陣も素晴らしく、この博多座の舞台で再びお目にかかれるのを切に期待しつつ、陽光差す博多座を後にした。

博多座『二月花形歌舞伎』

公演期間:2017年2月3日(金)〜26日(日)

会場:博多座

公式HPhttp://www.hakataza.co.jp/lineup/h29-2/index.php

観覧料(税込):A席 14,500円 特B席 11,000円 B席 9,000円 C席 5,000円

問い合わせ:092-263-5555(博多座電話予約センター)

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※情報は2017.2.16時点のものです

AKASAKA BOY

謎のライター

1978年福岡市赤坂生まれ。福岡の街の魅力を小説形式で発信中☆

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