すべてを捨てて僕らは旅に出た 「Studio Journal knock」主宰 西山勲さん、麻未さん

「会いたい人に会いに行く」

2013年夏、福岡市出身の西山勲さんは、結婚したばかりの妻・麻未さんとともに世界中のアーティストに会う旅へと飛び立ちました。

目的はシンプル。

「会いたい人に会いに行く」

「やりたいことをやってみる」

グラフィックデザイナーの仕事も辞め、家財道具を売り払い、究極の『断捨離』をして臨んだ決断の旅。西山さん夫妻の約2年間にわたる旅の記録は、「Studio Journal knock」というビジュアル誌に収められています。

「人生は短く、『自分がしたい』ことをしないと時間はあっという間に過ぎていく。シンプルだけど直球でknockする感覚を大切にしたい」と話す西山さんに、旅で得たものや今後の夢について聞いてみました。

Q)旅に出ようと思ったきっかけを教えてください。

A)旅に出る前はグラフィックデザイナーとして多忙な日々を過ごしていました。デザインの仕事は楽しかったのですが、体調を大きく崩してしまい、初めて『死』を意識したんです。当時、30代前半でしたが、死を意識した時、なんだか『お前の人生なんて大したことねぇんだよ』という言葉が響いてきて…。何かにおびえたり、できない理由を見つけていた過去と決別し、やってみたいことをやってみようと決意しました。

Q)家財道具を引き払い、いきなりの世界旅。不安はありませんでしたか?

A)不安よりも、「これに賭けてみたい」という気持ちが強かったですね。まだ結婚前だった妻に『僕は仕事を辞めて世界一周の旅に出たい』と伝えたら、『私も行きたい』と言ってくれて。それから婚姻届を提出し、仕事を辞め、いろいろなものを処分して旅に出ました。

Q)実際に旅に出てみてどうでしたか?

A)僕らは世界中のアーティストに会う旅に出ました。エーゲ海に浮かぶボートで暮らす2人組のフランス人アートデュオや、ロンドンで活動する佐賀出身の女性アーティスト、世界中で活動するエコアーティスト…。無名な人から有名な人まで、時にはアポなしの取材となったり、取材相手の家に2週間ほど滞在させていただいたり、本当に言葉に尽くしがたい素晴らしい『一期一会』になりました。

Q)「Studio Journal knock」は、単なるアーティスト紹介に留まらず、彼らの日々の暮らしや素顔を切り取った写真が掲載されているのが印象的です

僕らは、「作品そのもの」より「作品が生まれる前の過程」や「アーティスト自身の背景」を大切にしたいと思っています。アーティストがどのような経緯でその作品を作ったのか、それぞれのストーリーやセオリーを知りたいんです。

日本にいると気が付かないうちにいろいろな価値観に縛られて、「こんなことやっていいのかな」と躊躇することもありますが、日本を飛び出して「やりたいことって意外と本当にやっていいんだな」と思うようになりました(笑)。

Q)「Studio Journal knock」は今回で5冊目。旅先で出版されているそうですね。

A)写真はデジタルカメラではなく、フィルムで撮っているのですが、現地で現像しています。現地の色を出したいんですよね。もっとも、デジカメと違ってフィルムは一枚一枚が勝負なので、祈るような気持ちでシャッターを押しています。

Q)旅を通じて変わったことはありますか?

A)「どんな生き方をしてもいいんだ」と思うようになりました。格好つけなくてもいい。周りの目を気にせず、「自分がしたい」と思うことをすればいい。そう思うようになりました。

Q)いつかまた旅に出るのでしょうか?

A)今度は東欧のアーティストを取材する予定です。すでに取材を終えた中東をプラスし、6冊目では東欧と中東をテーマにしたビジュアルジャーナルを発行したいと思っています。

Q)地元・福岡のアーティストたちが特集された「knock」にも期待したいです。

A)そうですね。福岡から離れたからこそ見えてきた良さもあるし、いつか福岡の「knock」を作ってみたいと思っています。

西山さん夫妻

西山さん夫妻@福岡市・天神の「イムズ」

http://knockmag.com/

 

※情報は2016.10.28時点のものです

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