オススメのひんやりスポット 「幽霊」の不思議な話も(福岡市博物館)

 猛暑が続くこの夏、「ひんやりスポット」として、福岡市博物館(同市早良区)がお勧めです! 開催中の「ボストン美術館浮世絵名品展 鈴木春信」は作品管理のため室温が20度前後、湿度が55%前後に保たれていて、入館者から「寒い」とクレームが相次ぐほどなのです。さらに、もう一つ「ひんやり」する理由があります。それは、〝幽霊〟絡みの話なんですが…。

 展示されている鈴木春信の作品は米国・ボストン美術館が所蔵する約150点。約250年前の作品とは思えない、鮮やかな色彩と、凹凸の模様が描かれた和紙に残ります。この作品の状態を保つために、ボストン美術館から、室温、湿度、照明などに厳しい条件が課せられているのです。

《伊達虚無僧姿の男女》
William Sturgis Bigelow Collection,11. 19712
Photograph © Museum of Fine Arts, Boston

鈴木春信の作品《伊達虚無僧姿の男女》
William Sturgis Bigelow Collection,11. 19712
Photograph © Museum of Fine Arts, Boston

 「特に湿度が変化すると色が抜けたり、和紙が伸縮したりする恐れがあるんですよ」。博物館の学芸員、佐々木あきつさんによると、博物館は通常でも室温が20度前後なのですが、湿度が低い分、より涼しく感じるのだといいます。

 さらに、今年の夏、博物館が〝ひんやり〟するもう一つの理由。それが名品展と同時開催中の特別展「幽霊・妖怪画の世界」です。赤ちゃんを抱く悲しそうな母親。恨めしげに目を向ける女性…。江戸時代~昭和に描かれた幽霊や妖怪の絵約50点が展示されていて、見ているだけで背筋が「ぞ~っ」と寒くなります。

歌川国芳「相馬の古内裏」(部分)弘化期(1844―1847)

展示される歌川国芳「相馬の古内裏」(部分)弘化期(1844―1847)

 ただ、それだけじゃ「ひんやり」もいまひとつ。そんなことを感じていると、学芸員の福間裕爾さんが声を潜めて話しかけてきました。「実は不思議なことが起きていて」

 「女性の幽霊の掛け軸を飾る際、展示ケースに男性しか入らなかったのに、女性のもののような長い髪が落ちてた」

 「女性客がその掛け軸の前で、急に寒気に襲われ、動けなくなった」

 「別の学芸員が『ひゅ~』という風を切るような音を聞いた…」

 リアルな話をここまでそろえられると、のんきに「お化けなんてないさ」と歌っている場合じゃなくなります。実際のその掛け軸の前に立つと、何とも言えない空気に包まれました。

「幽霊・妖怪の世界」の会場

 「涼んでもらうには最高なんですが、羽織るものも忘れずに」

 福間さんは意味深な笑みを浮かべていらっしゃいました。

 

 

【展覧会情報】
ボストン美術館浮世絵名品展 鈴木春信 
入場料は一般1300円、高大生800円、小中生500円。

幽霊・妖怪画の世界 
入場料は小学生以上500円。同時開催している「ボストン美術館浮世絵名品展 鈴木春信」のチケット提示で200円で入場できる。

両展とも、8月26日(日)まで、福岡市博物館(同市中央区早良区百道浜3-1-1)で好評開催中!問い合わせは、市博物館=092-845-5011

※情報は2018.8.6時点のものです

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