浴衣姿の女性たちが語る「春画」の魅力 福岡市美術館で「肉筆浮世絵の世界」鑑賞ツアー 

福岡市美術館で開催中の「肉筆浮世絵の世界」(9月20日まで)。日本の公立美術館で初めて「春画」を展示していることで話題ですが、これに関連し、浴衣姿の女性たちが春画を鑑賞する企画が8月12日に開かれました。「春画」を女性たちはどのように鑑賞し、そこから何を感じたのか。女性の視点で春画の魅力に迫ります。

 

企画したのは、藤見里紗さん。藤見さんは、セクソロジスト(性教育者)として子どもの性から夫婦の性まで幅広い分野で講演活動や大人の性教育講座などを開催。NPO法人マドレボニータのインストラクターとしても活躍されています。※藤見さんのHP→http://www.risafujimi.com/

藤見里紗さん

藤見里紗さん

今回の企画は、浮世絵の中でも特に「春画」にスポットを当て、性や男女の愛の営みにオープンだった江戸時代の日常を通じて現代の生活を見つめ直してもらう目的で、福岡市美術館の協力を得て実現しました。どのくらいの人が集まるか当初は疑問もあったようですが、定員15名で募集したところ、あっという間に定員を超え、当初の計画より多い20名が参加しました。

 

女性が企画した女性のためのイベントということで、参加者は浴衣を着用。浴衣や夏着物コーディネート・着付けは、酒井敦子さんと富永愛さんが担当、和をイメージしたオリジナルの軽食やドリンクも提供されました。

パン教室「チコパン」を主宰する諸岡雅子さん

パン教室「チコパン」を主宰する諸岡雅子さん

●●さん

山口真帆さん

それでは、イベントのスタートです。まずは、福岡市美術館の中山喜一朗副館長から、鑑賞のポイントを学びました。

 

・春画に描かれている人は遊女とその客と思われがちだが、8割以上が一般庶民。

・肉筆は版画と違い、注文を受けて特別に絵の具を用いて描いた一点もの。夏物の着物が透けている描写など版画では見られない魅力がある。

・局部を誇張して描かれているのは、男女の愛の営みを表現豊かに描く際、リアルなサイズではなんのことかわからないから。

・アクロバティックな姿で描かれているのが多いのは、性愛の描写だけでなく男女の表情も描きたいから。リアルな姿というよりファンタジーとして楽しんでほしい。

・男女だけでなく、男同士、女同士、複数などいろいろなバリエーションがある。積極的な女性もたくさん描かれている。

鑑賞のポイントを学んだ上で、いざ、会場へ!

この展覧会では、68人の浮世絵師が最後の一筆まで紙や絹布に描いた「一点物」の美人図や風俗画など約170点が紹介されています。春画展示室には、厳選された作品約30点(約180図)が展示されているほか、肉筆画のみならず代表的な版画作品も展示されています。

 絵だけではなく、文字が書かれている作品も。

解読は難しいのですが、洒落がきいているものや赤裸々な表現が興味深く、絵を鑑賞する以上に面白く感じました。

作品鑑賞後、参加者同士で感想をシェア。

「今も昔も変わらないんだと思った。ただ、現代のアダルト映像と違い、静止画なので観る側の想像力が掻き立てられ、ムラムラした」

「昔は春画は嫁入り道具のひとつだったというが、家を背負って性行為に及ぶことの大変さを感じた」

「絵に添えられていたセリフをぜんぶ読んでみたい」

「エロというよりグロテスクなものを見た感じ。これで欲情する人がいるのかなと不思議に思った。だんだん、グロテスクを通り越して面白くなった」

「昔は結婚する前に一生懸命に春画を見て勉強してたのかな。描かれている人の表情は楽しそうだが、結婚前の女性たちも楽しいものと想像して勉強していたのかな」

参加者の疑問や感想に答える福岡市美術館学芸んの吉田暁子さん(左)と藤見さん

参加者の疑問や感想に答える福岡市美術館学芸員の吉田暁子さん(左)と藤見さん

今回の企画を通し、参加者の女性たちは「男女の愛の営みは今も昔もあまり変わらない」こと、現代と違う点では「昔は性が日常の当たり前のこととして描かれていた」ということを感じたようです。企画した藤見さんは、「現代は性があまりに遠ざけられている気がする。性や愛をタブーなことと遮断せず、夫婦や家族の間でも、楽しく、身近なものとして感じてもらえたら」と話していました。

参加者の女性たち

参加者の女性たち

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※情報は2015.8.13時点のものです

福岡市美術館

住所福岡市中央区大濠公園1-6
TEL092-714-6051
URLhttp://www.fukuoka-art-museum.jp/

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