オリジナルボードゲーム「Amen-アメン-」の誕生秘話

こんにちは。ツムラクリエイションの津村修二です。
今回は私が考案し、2011年に発売したオリジナルボードゲーム「Amen-アメン-」を紹介します。

「Amen」<通常版> ¥5,184(税込)

「Amen」<通常版> ¥5,184(税込)

●「Amen」とはどんなゲーム? 

インテリアとしても通用する外観の「Amen」は砂時計を使った石取りゲームです。対象年齢8歳以上、プレイ人数2~4人、1ゲームあたりのプレイ時間6~12分。

ルールはいたってシンプル。プレイヤーは時計回りにサイコロを振って出た目の数だけ持ち石を盤上に置き、中央のセンター石か他のプレイヤーが置いた石を飛び越えるとその石を獲得できます。砂時計の砂がすべて落ちきる時間(3分間)を1ラウンドとし、規定のラウンド数(2人プレイの場合=2ラウンド、3人プレイの場合=3ラウンド、4人プレイの場合=4ラウンド)が終了するまでに獲った石が一番多いプレイヤーの勝ちです。最終ラウンドの開始前には四隅の角の石が無くなるルール(コーナーアウト)があり、これによって最後に逆転できるチャンスが生まれます。

タイトルの「Amen」は古代エジプトのアメン神から命名。次のような物語をゲーム上で設定しています。

“紀元前・古代エジプト。神々の王アメンは、ファラオ(国王)を選定するため、その候補者たちを集め、それぞれに石を与え、網の目状の線を引いた大地の上で石を挟み競わせる大会を開いた。中央に鎮座した巨大な砂時計。両脇にそびえ立ったピラミッド。サイコロが転ぶ天運と自らの知力を武器に、今、候補者たちの王座を賭けた熱き戦いが始まろうとしていた”

イメージイラストはイラストレーターの津村ゆかり(姉)が作画

イメージイラストはイラストレーターの津村ゆかり(姉)が作画

また、ゲームをプレイする時のBGMとしてオリジナル楽曲「砂織-Saori-」「神建遊戯」の2曲を収録したCD「Amen BGM」を付属。プレイヤーはこの音楽を聴きながらプレイします。ゲームの世界観により没入してもらいたい、という意図からプレイ環境を演出する音楽を付けました。作曲は友人の若林正訓さん。

●<DX版>へのこだわり ”美しいゲームを作りたい”

 もともと美術やデザインが好きな私は、自分がゲームを作るのなら美しいものを、という想いがありました。そうすることで、ボードゲームに馴染みのない人にも関心を持ってもらえるのではないかと思ったのです。そんな私の美へのこだわりを細部まで詰め込んだのが2013年に発売した<DX版>です。

「Amen」<DX版>  ¥30,240(税込)

「Amen」<DX版> ¥30,240(税込)

盤面のタイルボードの製作は株式会社ギフトボックス(東京・奥多摩)の山本光夫さんに依頼。山本さんはタイルアートの作品製作の仕事を持ちながら、LOGY GAMESという名でオリジナルボードゲームをこれまで30種以上考案し、発売されている方です。

山本さんとの出会いは2011年5月。「Amen」を自主製作するにあたって、私はまずオリジナルゲームを作っている方がいないかをネットで検索しました。右も左もわからない自分のお手本になるような人がいればという思いからでした。そこで見つけたのが、山本さんのオリジナルゲームの紹介動画。それを見た時に「これだ!」と思いました。私が目指している方向性のゲームをまさに山本さんは作られていたのです。すぐにアポイントを取り、その動画を見た一週間後に私は山本さんの工房を訪ねました。この時、特別に一台は<ディスプレイ版>として作っていただきましたが、コスト面を考えた時に最初から盤面をタイルで製作するのは厳しいと判断し、最初に<通常版>を作ることに。後に<DX版>を作る際には迷わず山本さんにお願いしました。

2011年、山本さんに作ってもらった<ディスプレイ版>

2011年、山本さんに作ってもらった<ディスプレイ版>

「Amen」はまず砂時計が真ん中にある盤面のイメージが、最初にビジュアルとして浮かんだのが始まりだったので、<DX版>ではその核となる砂時計は満足できる美しいものを採用したいと考えました。

<DX版>に取り入れた砂時計は東京硝子工芸(東京・葛飾区)の砂時計職人の金子治郎さんに依頼。2012年5月、工房へと伺い、金子さんに砂時計を作る様子を見学させていただきながら製作について色々とお話しました。そのお話の中で、「エジプトをテーマにしたゲームであれば、サハラ砂漠の砂を入れるのはどうでしょう?」というご提案をいただきました。なんと偶然にもサハラ砂漠の砂が工房にあったようなのです。これは運命以外の何ものでもないと感じた私はその場でサハラ砂漠の砂を採用することを決定。その他、天板にロゴマークを入れること、底板に金のネームプレートを入れることをお願いし、そうして出来上がったのが下の写真の砂時計。見惚れてしまうほどの仕上がりにとても満足しています。

<DX版>の砂時計

<DX版>の砂時計

天板にロゴマーク

天板にロゴマーク

金のネームプレートに「Amen」の文字

金のネームプレートに「Amen」の文字

<DX版>の駒は建築資材用の石(イタリア産)を採用。この石の持つ風合いや手にした時の冷たい感触、盤上に置いた時のカチッという何とも言えない音の響きを気に入ったのが決め手でした。

シートに接着された石を1個1個もぎ取った後、そのべたつきを熱で焼き飛ばして使用

シートに接着された石を1個1個もぎ取った後、そのべたつきを熱で焼き飛ばして使用

●アート作品として出展

2016年9月には福岡アジア美術館8F交流ギャラリーで開催された「躍動する現代作家展」(主催:空間芸術TORAM)にも出展し、ゲームの垣根を超え、アート作品として作家・美術愛好者を始め、多くの来場者に賞賛されました。

出展した<DX版>

出展した<DX版>

私と「Amen」

私と「Amen」

●「Amen」の誕生秘話

「Amen」は映像作家の冨久タクロさん(遺言ワールドミックス合資会社 代表)との出会いから生まれました。2006年、従兄弟の結婚披露宴で知り合いました。私は当時ボードゲームを作ることよりもクラブミュージックを作ることに夢中になっていました。冨久さんに自作曲を聴いてもらったところ、彼が手がけたドキュメンタリー映像作品にその中の1曲が採用されました。その時、「他に何か作ってるものないの?」と聞かれ、私はすぐに子どもの頃から作ってきたボードゲームが思い浮かび、それで後日見てもらいました。冨久さんの「これ、商品化できるよ」という一言から自作ゲームの商品化への夢を見ることになります。商品化を見据えて作ったのが「Amen」でした。原案の完成日は2009年9月30日。ちょうど今から8年ほど前になります。

「面白い」という自信があり、さまざまなメーカーに売り込みを開始。なかなか商品化への道は厳しく、一念発起し2011年にツムラクリエイションを立ち上げ、「Amen」を自主製作する道を進みました。このまま自分の中のアイデアとして閉じ込めておきたくなかったのです。これは世の中に出すべきものだ、と。そうして今に至るのですが、ボードゲームクリエイターとしての道を歩むきっかけを与えてくれた、冨久さんとの奇跡のような出会いに今でも感謝しています。

2009年に作った「Amen」の企画書。ここからすべて始まった

2009年に作った「Amen」の企画書。ここからすべて始まった

文章・写真 津村修二

※「Amen」取扱販売先

ツムラクリエイション
http://tsumura-creation.com/

つみきや -ヨーロッパの木のおもちゃ・人形・絵本・ボードゲーム-
福岡市中央区天神1-7-11 イムズ6F 営業時間 10時~20時
https://tsumikiya.jp/

410 Gallery -美術画廊- ※<DX版>のみ取り扱い
福岡市博多区上川端11-8 川端中央ビル410号室 営業時間 11時~19時 
https://toram410.wixsite.com/arte

※情報は2017.10.5時点のものです

津村修二

ツムラクリエイション代表。ボードゲームクリエイター/アーティスト。
1983年福岡生まれ。幼少の頃よりオリジナルのボードゲームや外遊びを考案し、小学6年生の時に福岡市全住所が登場する巨大すごろく「福岡市大すごろく」を制作。(2014年7月より福岡市博物館1階「みたいけんラボ」にて展示中)
2011年に「ツムラクリエイション」を起業。砂時計を使った新感覚の石取りオリジナルゲーム「Amen-アメン-」の製作と販売を開始する。
そのほか、各種ゲーム会やアート展を企画・開催し、ボードゲームの楽しさやデザインの美しさを伝える活動を続けている。
新聞・テレビなどメディアからの取材も多数。現在、天神イムズ6階「つみきや」のスタッフとしても勤務中。

ツムラクリエイション
http://tsumura-creation.com/

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