【中村裕子】女性への教育は罪 そんな国が存在する だから伝えたい。この幸せを

1999年、初めて中東を訪れた。民間機発着時のみミサイルの撃ち合いを禁止する、その地はレバノンの首都ベイルート。

ブルカと呼ばれる黒装束を着用し、目的地である「女性シェルター」に移動した。厳しい宗教の教えの下、女性が意見することも学ぶことも厳しく禁じられており、違反を犯した女性たち(女児を含む)が命がけで避難してくる「ついのすみか」として使われていた。

この建物内ではだれもが自由に本を読むことも学ぶこともできた。日本にいれば当たり前のことだが、女性が教育を受けることが大罪になりうる国がこの時代においてもある、ということを目の当たりにした。教育を受けられる幸せ、大切さを実感した。

自由に読書ができることが「当たり前」ではない国もあります。

自由に読書ができることが「当たり前」ではない国もあります。

そこで暮らす女性たちに将来の夢を聞くと、半数以上の回答が「先生になりたい」だった。当時客室乗務員だった私が、教育現場に興味を持ち、教育の分野に真剣に進みたいと思った、まさにその瞬間だった。

私たちは幸運にも好きなことや得意なことを学ぶ権利も、それを仕事として選ぶ権利も与えられている。あのとき出会った彼女たちにとって、それは決して当たり前には手に入らない「自由」であり、「幸せ」なのだ。

梅雨があけると、打ち上げ花火のシーズンがやってくる。あの音を聞くと、生まれて初めて聞いたミサイルの音をふと思い出す。教育という現場になぜ方向転換したのか、思い出す季節でもある。自分が望む現場で働ける喜びはもちろん当たり前だと思っていることがそうではないことを学生にも伝えていきたい。

from西日本新聞「わたし活性化計画」面

※情報は2014.7.12時点のものです

中村裕子

アジア系航空会社を経て、各種専門学校・大学で就職セミナーや面接指導、英語の授業を担当。「コミュニティラジオ天神」で毎週火曜午後2時から、女性を応援する番組「MOVE for NEXT」のパーソナリティーを務める。

中村さんのインタビュー記事はこちら⇒https://fanfunfukuoka.com/people/2581/

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