飲んで、笑って、句を詠んで。福岡で100回以上続くおもしろ俳句会

五・七・五を定型とする短詩「俳句」。バラエティ番組や飲料メーカーなどが「俳句」をテーマにした企画を次々と取り上げるなど『俳句ブーム』が続く中、福岡にちょっと風変わりな俳句会があるのをご存知でしょうか。

その名は「斎々亭俳句会」。2000年、福岡市・天神の片隅にある小さなバーのカウンターで偶発的に誕生した俳句会です。その時のことについて、句会開催を呼びかけた内藤謙一さん(元・福岡広告協会事務局長)は「日ごろは口角泡を飛ばす酒飲みたちが『五・七・五・・・』と小さな声でつぶやきながら指を折る姿は微笑ましくもあった」と振り返ります。

以来、俳句会は年4~5回のペースで続き、当初5人だったメンバーはいつしか、外科医、保険外交員、CMプロデューサー、デザイナー、料理店主、主婦など多士済々の32人に。現代俳句協会に入会した4人のメンバーを中心に、毎回の兼題に対してそれぞれが自由に俳句を詠み、参加者同士で「天」「地」「人」そして「駄」「駄天」の句を選びます。

100ぁ

8月に福岡市博多区の「うまか遊び庵」で開催された俳句会

誰が詠んだか分からない句について自由に批評しあい、天・地・人・駄・駄天の句を選びます。

この際、誰がどの句を詠んだのか分からない状態で作品が発表されるので、年少者やビギナーが年長者やベテランの作品を言いたい放題に批評することも。批評を終え、作者が分かった時のそれぞれの驚きの表情も笑いを誘います。また、「駄天」は、ノーベル賞に対してユーモアあふれる発見発明を称えるイグノーベル賞のように、最も大きな笑いを取った句に与えられます。こうした自由闊達な気風が、他の俳句会とちょっと違う「斎々亭俳句会」の特色です。

同会ではこれまでに、句集「俳徊」「五・七・誤」「百句繚乱」と3冊の句集を自費出版。不定期ながら途切れることなく続いている句会は100回を超え、11月3日には水郷の街・柳川で104回目の句会が開催されました。

筆跡で作者が分からないように同一人物が作品を清書します。

筆跡で作者が分からないように同一人物が作品を清書します。

句会はいつもビールとともに。これも「齊々亭俳句会」の特徴です。

句会はいつもビールとともに。これも「齊々亭俳句会」の特徴です。

この日の兼題は「焚火」「白秋祭」または「柳川・水郷+秋の季語」。メンバー15名が参加し、30作の中から以下の句が選ばれました。

天(一位)父母臥して故里(さと)の坪庭焚火跡 松幸

地(二位)煩悩や掃けど掃けども落葉焚き 二乃字

人(三位)ただいまとおかえりつなぐ白秋祭 へび苺

駄天(笑い)白秋忌花より団子鰻蒸籠(うなせいろ) 松幸

点数が集まった作では他に「焚火すや蘇りくる野生の血/たけし」などもありました。

お笑い作として高得点を獲得した「落葉焚き博多でやったら即逮捕/へび苺」「元カレの写真もくべて落葉焚/そぼろ」などの句も。

句会終了後は、“どんこ船”に乗り込み、柳川の川下りと「白秋祭」を堪能しました。

どんこ船酔いのせてゆく白秋忌 歩荷

船上で、俳号「へび苺」さんは、『斎々亭俳句会』に入会した理由について、「居酒屋で隣のおじさんに一方的な運命の出会いをしたものの、一切相手にされなくて。『どうしたら話してくれるの?』って聞いたら『俳句やったら』って。その人に誘われて入会しました」と話していました。

こうした気軽さや行き当たりばったりさが許されるのが『斎々亭俳句会』の魅力かもしれません。句会は福岡市内の居酒屋や神社社務所などで不定期に開催。 居酒屋で『五・七・五・・・』とつぶやいている人がいたら、『斎々亭俳句会』のメンバーかもしれません。気になったらぜひ声を掛けてみてください。

句会に興味がある方は一度、お試し参加(会費千円) してみませんか。

連絡は内藤090-2588-3943まで。

※情報は2017.11.13時点のものです

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