【久保 巴】平安貴族の大恋愛 今と変わらないのは 大切な人を大切にしたい思い

雪のうちに春は来にけりうぐいすのこほれる涙今やとくらん 藤原高子

元祖プレーボーイと名高い在原業平。その彼とのかなわずの大恋愛で有名なのが、二条の后こと藤原高子だ。

高子が宮中に入った後も、業平はずっと高子を慕っていたという説があるけれど、高子もまた、同じように業平を思っていたんじゃないだろうか。

かつての大恋愛がようやく過去になったころ、業平が宮中での仕事を任されるようになった。2人が再び顔を合わせることも多くなった、そんな時期に詠まれたというのが、この和歌。どんなかたちであれ、愛する人と会えるようになった喜びを「凍った涙が解ける」と表現したのだとしたら、彼女の思いがどれほど強かったか、想像に難くない。

氷のように凍った心が溶けるほどの涙。どれほどの想いを寄せていたのだろう…

氷のように凍った心が溶けるほどの涙。どれほどの想いを寄せていたのだろう…

未婚率上昇に絶賛貢献中(!)の私にも「憧れの結婚像」なんてのがあった。

だんだんと、アレはもういいや、コレももういいやとなって、最近は「大好きな人と一緒にいられるなら、なんだっていいや」と思っている。

結婚というかたちにこだわらない人や、そもそも結婚に興味がないという人も増えた。家という存在感が、圧倒的に強かった時代から、多様な価値観の広がりとともに、「結婚」という枠にとらわれない生き方が広がっている。きっと、変わらないのは「大切な人を大切にしたい」という気持ちだけなんだと思う。

高子が現代に生きていたら、業平とのロマンスはどうなっていたんだろう。今頃は、晴れて一緒になった2人も、けんかばかりしているかもしれないけどね。

 

形なき想いが結ぶ魂のその身も今は結ばるるかな

久保巴

from西日本新聞「わたし活性化計画」面

※情報は2014.7.19時点のものです

久保 巴

1982年生まれ。山口県出身。元介護士。古典、歴史好きが高じて趣味で短歌を詠む。全くの我流。ウェブサイトFan Fun Fukuokaでも、短歌を詠みながらコラム掲載中。返歌とか来たらどうしようかとワクワクしている。

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