自分で育てて自分でいただく〝自産自消〟の農業体験、大変さとありがたさを学ぶ

自分で育てた野菜を自分で収穫・調理して新鮮なうちにいただきます!——こんな楽しくておいしそうな催しが福岡市で開かれました。同市が主催した市民対象の「野菜づくり体験」。
2017年12月16日にあった締めくくりの収穫・調理体験におじゃましました。

わずか数時間でこれだけ収穫。どれも新鮮です!

わずか数時間でこれだけ収穫。どれも新鮮です!

 

地力満点の畑からかつお菜、大根、ブロッコリーを収穫

この日、福岡市東区唐原にある畑に集合したのは、公募で選ばれた15名のうち13名(女性11名、男性2名)です。福岡市女性未来農業サポーターの真子慶子さん、浜地かね子さん、渋田静江さん、堀田美保さん、田代俊子さんが指導・応援に駆けつけました。

さっそく収穫です。この畑は、サポーターでバラ農家の田代さんが約700㎡を野菜づくり体験用に提供してくださいました。馬ふんなどを肥料にして土の力を高めているのが自慢です。その
「地力」を十分に受けて青々と葉を茂らせたカツオ菜、真っ白な顔が土から飛び出た大根、大きな蕾をたくさんつけたブロッコリーが参加者の皆さんを待ち受けていました。
「奥の方のブロッコリーが大きいよ」「わあ重い〜」「持って帰れんぐらいあるね」とわいわい。北風の冷たい曇り空でしたが、豊作に自然と顔もほころびます。

草取りなどきついことも一緒にやって友だちになった

皆さん、この体験で初めて顔を合わせた人ばかりですが、友だちのように言葉を交わしています。企画・運営をした福岡市農業振興課担い手支援係長の吉村さんは「皆さん、これまで
草取りなど地道な作業も一緒にやってきたので、すっかり打ち解けられて、話も弾んでいますね」と、話しました。参加者はこれまでに10月14日と11月25日に種まき、草取りなどを体験しました。

安河内さん(福岡市東区)は数年前から自宅の庭の家庭菜園でミニトマトやハツカダイコンなどを育てていますが、今回は勉強のために参加しました。「草取り、草取り、草取りしないと実はならないよと、草取りの重要性を教えてもらいました。とても勉強になりました。いまは朝起きたら
まず家庭菜園の草取りをやっていますよ」と笑っていました。

 

作ったのは博多雑煮、紅白なます、ひと足早くお正月気分に

収穫のあとは、場所をJR香椎駅近くのJA福岡市東部香椎支店に移して調理です。メニューは、
カツオ菜を使って博多雑煮、大根で紅白なます、ブロッコリーはゆでてマヨネーズをつけて。なんだか一度にお正月が来たような気分です。「カツオ菜をゆでるときは、芯に切れ目を入れて芯の方から先に湯に入れてね。芯が硬いけん、一緒に入れると柔らかい葉が煮えすぎてしまうもんね」と、浜地さんたちサポーターが要所要所で作り方のコツをアドバイスします。

廣瀬さん(東区唐原)は「将来は自分で食べる分の野菜くらい自分で作りたい」と思って申し込んだそうです。体験を通して「農家の大変さ、作物のありがたさが分かりました」と言います。

「料理はいま妻と分担でやっていますから」と器用な包丁さばきで大根を切っていました。

 

「プロ農家の経験はすごい」「とれたての野菜のおいしさは違う」

最後は、できた料理を参加者みんなでいただきました。畑仕事で冷えた体には、特にアゴ(トビウオ)でだしをとったお雑煮のつゆの温かさが身にしみます。

元さん(福岡市南区)は、自宅でも家庭菜園をやっています。「プロの方が長年培った経験は
すごい。勉強になりました」と話しました。収穫した作物は近所に配って、自宅ではおでんにしようかと考えています。「参加者の皆さんといろいろな料理の話をするのも楽しみでした」。
「やっぱりとれたての野菜は新鮮さが違いますね」と感激するのは嶋村さん(福岡市博多区)。
「農業は思った以上に大変。食べ物は日々ありがたくいただきたいと思います」と感想を話していました。

参加者には、2017年の第6回野菜ソムリエアワード全国大会で金賞を受賞し日本一の野菜ソムリエになった、なかしまゆみさん(福岡市中央区)もいました。なかしまさんは筑紫野市で農園を
借りて有機栽培にこだわった野菜を育てていますが「野菜のことをもっと勉強したい。地元の
生産者とつながりを作りたい」と参加しました。「しっかり手を入れると野菜はこたえてくれる。
新鮮な野菜のおいしさはやっぱり違いますね」。また、「体験の回数はちょっと少なかったかな、もっと農作業の大変な部分を知りたい」と意気込みを話してくれました。

「体験を通して農業の面白さ、大切さを知ってほしいですね。できれば買い物に行っても外国産ではなく国産の、中でも福岡産の野菜を買ってほしい。こうした取り組みが福岡市の農作物の知名度アップにもつながれば」。農業振興課の吉村さんはそう期待しています。

参加者たちはバッグやリュックがパンパンになるほどの野菜のお土産を持って、それぞれの帰途につきました。と同時に野菜の育ちを見守り、土に触れ、収穫の喜びを味わった体験も心の中の大きなお土産として持ち帰ったことでしょう。

みなさん、お疲れ様でした。これからも福岡市内産の野菜をよろしくお願いいたします。

※情報は2018.1.10時点のものです

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