
イスラム過激派の収入源とは?お金、テロ、経済発展について
前回は、サブサハラのイスラム過激派についてご紹介しましたが、
今後さらに深刻になっていく問題なので、今回もイスラム過激派についてのお話です。
※前回記事⇒「近づく、イスラム過激派の足音。背景にある根底的な問題とは―」
毎日の暮らしも、会社の経営も、NGOの活動でも、生活や活動を続ける限り、
お金は必要です。
NGOはどれぐらいのお金を動かしているのか?!
先日、NGOの活動国や活動内容や収入規模をまとめたNGOダイレクトリー作成に協力し、WEBで公開されていますので、興味ある方は、チェックしてみてください。
億単位のお金が動いている団体も多々あって、びっくり!
さて、本題のイスラム過激派の収入源。
その1つに象牙があります。モザンビークでも象牙を取る密猟者が大問題で
ゾウの数が激減しています。
世界で最も儲かる犯罪行為の第5位が、象牙を含む野生動物の違法取引で年間190億ドルに上るとのこと。
ちなみに1位は麻薬、2位は人身売買、3位は石油、4位は偽造品。
ソマリアのイスラム武装組織アルシャバブは象牙の密売、しかもアジアへの密売で得ている収入は月20~60万ドルで、約5000人の兵士への月の手当に充てていると報告されています。
では、テロ組織の資金力(年間)はどのぐらいなのか?!
フォーブス・ジャパンの2015年12月の記事からピックアップすると
1位:イスラム国(IS)20億ドル
史上最も資金力のあるテロリスト組織。
主要資金源:石油販売、誘拐、人質、警備費、税金、銀行強盗、略奪など。
最終目的:イラク、シリア、ヨルダン、レバノン、パレスチナにわたる「イスラム国」の樹立と、域内および十字軍(キリスト教徒)、ユダヤ教徒に対する聖戦。
8位:アルシャバブ 7千万ドル
2006年に設立されたソマリア最大のイスラム過激派。東アフリカのケニア、ウガンダにも勢力を拡大。
主要資金源:誘拐、人質、不法取引、海賊行為、後援費と税金
最終目標:ソマリアからの外国人勢力の駆逐とイスラム、カリフ制国の樹立
10位:ボコハラム 2千5百万ドル
イスラムの教義に反するとして、西側の価値観に基づいた教育に反対。西アフリカのナイジェリア、カメルーンで勢力を広げている。
主要資金源:誘拐、人質、手数料、税金 保護費、銀行強盗、略奪
最終目的:世俗主義と西側の影響力との闘い、ナイジェリアでのキリスト教世俗主義政権の転覆と、イスラム法に基づく国家の建設。
続いて、アフリカで使われている武器を調べて見ると…。
英国の国際戦略研究所は2016年のリポートで、アフリカ51カ国を対象とした調査で68%の国が中国の武器装備を使用していることを伝えています。
日用品分野でも中国の勢いはすさまじい。モザンビークでも中国雑貨店が繁盛しています。
どのような経済発展を望んでいるかとの問いには、モザンビークやカメルーン、スーダンでは、米国型や宗主国型の発展よりも中国型の発展を好んでいるとのデータも。。。
大切なのは、幸を紡ぐこと?それとも、儲けること?!
世界のあちこちで起きている事件を目の当たりにすると、
世界の幸福を創造していく道も、まだまだ時間がかかるな、と思います。
日本をはじめとした経済発展した国では、物があふれ、豊かになっている一方で、
富む人がさらに富み、貧しい人がさらに貧しくなるという広がる格差が問題になっています。
そして、北朝鮮の核・ミサイル問題も国際的な問題となっています。
私たちにできることは何か?!
身近なところから、自分の得意分野から、世界に住む一人ひとりの安全で幸福な暮らしのために、小さな一歩からスタートしたいものです。
※情報は2017.12.21時点のものです

榎本恵
アフリカ南東部のモザンビークで、教育支援や人材支援、環境保全、公衆衛生設備などに取り組む。日本とモザンビークの相互理解のためのイベントなども開催。モザンビークのいのちをつなぐ会代表。http://www.tsunagukai.com/
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