江戸前じゃなく「博多前」寿司があるって知っとった?

■寿司=江戸前じゃない!?

転勤族や単身赴任者も多い福岡の街。立ち食いそば屋が少ないとか、チェーン系居酒屋を見かけないといった東京との食文化の違いに驚愕するエピソードには事欠きません。

そのひとつに、寿司屋におけるエピソードもひとつ加えておきましょう。どうやら多くの日本人は寿司=江戸前と思っている方が多いようです。しかし、江戸前というのは名前の通り江戸(現在の東京)周辺におけるローカルな食文化のこと。

今では全国に江戸前寿司が広まっていますが、福岡ローカル発のもつ鍋と同様、東京ローカルから全国へと広がった文化と言えるのです。

■そもそも江戸前寿司って?

寿司の歴史は古く、(諸説ありますが)現在のような握り寿司の形になったのは江戸時代だと言われています。当時江戸の沖合(現在の東京湾)で採れた魚を、酢飯の上にのせて提供したのが始まりとか。

当時は保存技術が発達していなかったため、魚の身を酢や塩で締めたり、醤油だれで煮たり、つけこんだりと、「ひと手間」加えて握り寿司として提供していました。

ネタですが、アナゴやコハダ、アナゴ、タコ、マグロといったものが中心となり、いずれも職人さんが「ひと手間」加えて寿司にします。これがいわゆる江戸前寿司の基本です。

■ じゃあ、博多前ってどういうもの?

江戸前に対し、福岡には「博多前」寿司があると言われています。「博多前」という用語を用いるかどうかは別にして、福岡にも固有の寿司文化があるのです。

博多前というからには、ネタはもちろん玄界灘で採れた魚になります。江戸前とは異なり、イカやサバ、タイ、ブリといった青魚や白身魚が中心ですね。そしてネタには特に手を加えず、そのまま握って提供します。

しかし!

違いはそれだけはありません。大の酒好きな福岡人にとって、お店に入って最初に酒をオーダーするのは基本中の基本。そしていきなり握りではなく、酒の肴をつまみながら世間話をするのが寿司屋での過ごし方です。

従って、小鉢や刺身、焼き物などを一通り味わった後に、〆として握りをいただくということになります。場合によっては握りより酒の肴の方がボリュームがあることも。

この「博多前」スタイルは酒飲みにはたまらないでしょう。しかし、くれぐれも飲み過ぎて握りの前に泥酔してしまわないようにご注意を。

※情報は2018.1.5時点のものです

H.Katsura

福岡出身。就職で東京へ行き、20年の都会生活を経て昨年Uターンしてきたフリーライター。 地元を離れて初めてわかる福岡の面白さをあらためて実感中。

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