モザンビークで影響力を発揮するベトナムへ初旅行

1月にベトナム縦断ツアーに参加してきました。
海外でNGO活動をしていると、旅行が好きで、いろいろな国を訪問しているんだろうなぁ、と思われる方もいらっしゃると思いますが、これまで訪れた国はほとんど仕事での出張。今回のベトナム旅行のような仕事の打合せも入ってない海外旅行は、10年ぶりとなります。

なんでベトナムにしたのか?モザンビークでは、ベトナム軍隊通信グループ・ベトテル出資の通信会社モビテルが驚く勢いで無電化村にも通信アンテナを設置、現在は4割近いシェアを占めており、私もモビテルを愛用しています。

当会が建設運営する寺子屋があるナティティ地区の路上風景。橙色の傘がモビテルのクレジット(携帯電話のスクラッチ式チャージカード)を販売している場所です。

当会が建設運営する寺子屋があるナティティ地区の路上風景。橙色の傘がモビテルのクレジット(携帯電話のスクラッチ式チャージカード)を販売している場所です。

携帯電話クレジットの他にもジュースやお菓子を販売。

携帯電話クレジットの他にもジュースやお菓子を販売。

 また、ベトナムとモザンビークの商取引額は2006年に1380万ドルだったのが、2010年には4530万ドル、2016年には1億ドルを超えるまでに拡大しており、ベトナムが投資する72の国と地域の中でモザンビークは11位。
モザンビークで影響力を発揮するベトナムの姿を見てみたい!と、ベトナム旅行を思い立ったのです。

6日間の旅程でベトナムを南のホーチミンから北のハノイに向かい縦断しながら「古都ホイアン」「ミーソン聖域」「フエの建築物群」「ハロン湾」と4つの世界遺産を見るという内容のツアー。中でも見る価値がある!と思ったのはミーソン聖域です。
古代チャンパ王国の聖なる遺跡で、ジャングルに佇む神秘的な遺跡ですが、残念ながらベトナム戦争により遺構の大半が破壊されており、現在も修復作業が続いています。(古代チャンパ王国:192年に漢から独立、1832年に阮朝に併合。阮朝:グエンちょうとは、1802年から1945年にかけて存在したベトナムの王朝)

 

観光客で賑わっていたミーソン聖域。

観光客で賑わっていたミーソン聖域。

シルク工場では蚕の生産から見学。

シルク工場では蚕の生産から見学。

さて、ベトナムの著名人といえば、ベトナムの革命家であり、ベトナム民主共和国の初代主席であるホー・チ・ミン氏ですが、その遺体はこれもご存知ロシアのレーニンにならいエンバーミング(永久保存)され、ホー・チ・ミン廟に安置されています。
しかも、ガラスケースに納められたご遺体を見学できるとのこと。これ、びっくり。
禁欲的で質素、無私であったホー・チ・ミン氏がこんな祀られて見られる状況を望んでいたのかしらん?と思ったのですが、やはり彼自身は個人崇拝につながる墓所や霊廟の建設を望んでいなかったとのことです。
ちなみに、私は時間の都合で廟内を見学できませんでした。。。
気になるエンバーミングですが、現在も埋葬や火葬されずに永久保存されている政治的指導者は死去順に、レーニン、ホー・チ・ミン、毛沢東、金日成、金正日。
また台湾の蒋介石、蒋経国は大陸に埋葬されるまで保存予定とのことです。
なお、日本でも遺体の修復や保存に関する「商品化」が葬儀業界で高まりつつあり、エンバーミングを日本に定着させようとする動きもあるのだそう。

ホー・チ・ミンの肖像画が飾ってある郵便局

ホー・チ・ミンの肖像画が飾ってある郵便局

ハノイ市にあるホー・チ・ミン廟

ハノイ市にあるホー・チ・ミン廟

都市は高層ビルが立ち並び、湾岸開発も現在進行中で、想像以上に発展しているベトナムでした。その開発事業で、目立ったのは、韓国の投資です。韓国の対ベトナム直接投資額も企業数も日本を上回っており、韓国大財閥が牽引しています。
高層ビルのトップ3はすべて韓国資本とのこと。

幻想的で美しい海から岸からは、建築途中の大型ホテルかショッピングセンターが臨め、モザンビークの開発の姿と重なる部分もありました。
都市開発は往々にして、画一的で一様な姿に、その場所を変えてしまいます。
どの国の都市も、似通ってしまうのは、ちょっと寂しいですね。
その国々の歴史や伝統、文化。そして今行われている投資開発。
未来のために守るべきものと、拝金志向にある現代。
人間にとっての価値をどこに見出すのか、そのバランスの取り方がますます問われていくだろうなぁ、と感じた旅でもありました。

たくさんの種類の野菜や果物、魚が売られている市場

たくさんの種類の野菜や果物、魚が売られている市場

 

※情報は2018.2.1時点のものです

榎本恵

アフリカ南東部のモザンビークで、教育支援や人材支援、環境保全、公衆衛生設備などに取り組む。日本とモザンビークの相互理解のためのイベントなども開催。モザンビークのいのちをつなぐ会代表。http://www.tsunagukai.com/

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