出生率5.3人、乳幼児死亡率18% のモザンビーク

 日本に戻っていた留守中に、モザンビークはスラムの仕事部屋と寺子屋がネズミに荒らされ、教材も衣服もプラスチックバケツごと食べられて、地獄絵図になっておりました。。。スラムに住み始めて6年間で最大の被害です。

 寺子屋では子供たちが大掃除を手伝ってくれて、数日かけて、ゴミと混ぜこぜになった書類や衣服や収納ケースを整理。

子供たちと寺子屋の大掃除

子供たちと寺子屋の大掃除

 さて、日本にいた間に、間借りしている家のファミリー・キネタ34歳が6人目の赤ちゃんを生んでいました。現地は子沢山。モザンビークの女性1人当たりの出生率は、5.30人(2015年)。社会問題でもありますが、日本の中学生ぐらいの年齢で妊娠・出産したり、読み書きすらできない教育レベルのまま母親になる女子も少なくないのです。

数日前は高熱が出ていましたが元気に成長中。
お姉ちゃんが赤ん坊の面倒をみます。

数日前は高熱が出ていましたが元気に成長中。
お姉ちゃんが赤ん坊の面倒をみます。

 現地での妊娠から出産プロセスはというと、妊娠すると病院に行き、エコー検査のみで妊娠を確認。妊娠が判明したら、出産までビタミン剤や鉄剤を処方されます。そして陣痛を合図に病院へゴー。無事に出産したら、1日で母子ともに退院します。

 まだまだ医療のレベルは低いものの、予防接種の管理も改善されてきており、BCG(結核)、ポリオ、PCV(肺炎球菌)、DPT(百日咳、ジフテリア、破傷風)、HepB(B型肝炎)、Hib(ヘモフィルスインフルエンザ)、麻疹のワクチン接種を定期的に受け、出生から5歳まで生育管理が行われます。

子供の生育手帳。ワクチン接種のページ。

子供の生育手帳。ワクチン接種のページ。

5歳までの生育管理表

5歳までの生育管理表

 赤ちゃんだけでなく、母親用の健康管理手帳も数年前から発行されています。
 妊娠する毎に、女性の病気の有無やお腹の大きさを測定。特に、現地ではHIV(エイズ)の感染率が高く、人口の25%がHIVに感染している州もあるため、母子へのHIV検査は必須です。
 なお、現地の人は感染しても発症まで時間があるHIVをそんなに恐れてはおらず、高熱が出たと思ったら亡くなってしまうマラリアのほうが危ない病気だと考えています。
 またこの母親用の健康管理手帳には、ピルや注射、女性用コンドーム等の避妊具のページもあります。子供ができたら生む!という考え方が主流で、中絶手術の選択肢がなく、貧乏なのに子供だらけで貧困の連鎖がスラムの日常でもあるので、避妊の知識をしっかりと教えることが大切になっています。

 そして、乳幼児が病気になって亡くなることも日常茶飯事。私の住む地域はモザンビークの中でも貧困率が高く、5歳以下の乳幼児死亡率は18%。
 5.5人に1人の子供が5歳の誕生日を迎えることなく亡くなってしまう現実があります。主な原因はマラリアや下痢等の感染症。1歳未満で亡くなると家の敷地内に埋葬し、1歳を過ぎて亡くなると墓地に埋葬します。
 我が家にもバナナの木の下に、2ヶ月で亡くなった赤ちゃんを埋葬しています。

母親用の健康手帳

母親用の健康手帳

 さて、そして子育てはというと、母乳を与えるのは1歳半から2歳ぐらいまで。
 その後は、キャッサバの粉や米粉をゆるく炊いたパーパを離乳食として食べさせています。
 子沢山の家族では赤ちゃんの面倒は子供たちが見るのが普通。
 いろんな子供に抱っこされながら赤ちゃんは成長しており、日本のように神経質に育てる環境ではなく、泥んこになりながらも、のびのびと健全に逞しく育っています。
 貧乏なのに子沢山すぎてどうするの?という問題もありますが、これは子供たちの教育で良い方向に向かわせるのがベスト!と、私たちは奮闘中。
 乳幼児から子供、青年たちへの教育活動を継続していけるように、スラムに住む青年有志と力を合わせて、日夜、汗水たらして勤しむこと、現在進行中です。

赤ちゃんの面倒は子供たちが見ています。

赤ちゃんの面倒は子供たちが見ています。

※情報は2018.3.1時点のものです

榎本恵

アフリカ南東部のモザンビークで、教育支援や人材支援、環境保全、公衆衛生設備などに取り組む。日本とモザンビークの相互理解のためのイベントなども開催。モザンビークのいのちをつなぐ会代表。http://www.tsunagukai.com/

この記事もおすすめ