ボードゲームの祭典「シュピール」で見つけたゲーム特集

こんにちは。ツムラクリエイションの津村修二です。
今回は、私がボードゲームの祭典「シュピール」に参加した時に見つけた印象的なゲームを紹介します。日本では手に入らないレアなゲームばかりです。

●「シュピール」とは?

毎年10月下旬、ドイツ北西部の町エッセンで開かれるボードゲームの世界的な見本市がシュピール(Spiel=ドイツ語でゲームの意)です。1983年から開催され、今年で35年を迎えます。世界各地からゲームデザイナー、メーカー、販売店、輸入業者、愛好者が集結。ボードゲームに関わるすべての人にとって夢の舞台とも言える場所です。また、前夜にはボードゲーム界で最も権威ある賞とも言われる「ドイツ年間ゲーム大賞」の表彰式も行なわれます。見本市は4日間開かれ、昨年は過去最高の182,000人が参加。展示ホール面積は72,000㎡(ヤフオクドーム約1個分)、出展者数は約900団体(50か国)。発表される新作は1,000タイトル以上と、この数字だけでも驚きです。

私は2015年に子どものためのボードゲームの輸入代理店Kleeblatt(クレーブラット)株式会社の代表・畑直樹氏が企画されたツアーでシュピールに参加しました。

●箱を増やして得点を稼ぐ、奇才が生んだ不思議なパズル系カードゲーム「CUBUS(キューブ)」

私が会場で一際目を引いたのがこの「CUBUS」でした。カードの平面的な二次元世界がその置き方によって立体的な三次元世界へとだまし絵のように変化する、錯視を使った不思議なゲーム。蓋と側面の左と右の3種類のカードを巧みに組み合わせ、全体の箱数を増やした時にその増加した箱の分だけ得点できます。この時、使用したカードの枚数によって減点されるので、いかに少ないカードで箱を増やすか、見えない部分に箱があるかのように見せかけるかがポイント。組み換えも可能なため、パズル的要素が強いゲームです。このゲームの考案者ラインハルト・ウティッヒ氏の作るゲームはどれもが独創的なアイデアと芸術的なセンスに溢れています。彼の作品群を見ているとまるで現代アートを鑑賞しているかのような気持ちになります。

●カード通りの重力バランスのモビールを作る「Zahlen-Mobile(ツァーレンモビール)」

「CUBUS」と同じブースで遊んで、気に入ったので購入。4色のダイスがモビールで吊られた状態の絵がお題のカードに描かれており、その通りの重力バランスでダイスをいち早く配置したプレイヤーの勝ちです。1は2より軽く、6は5より重い。ダイスの目が重さとなります。瞬時に状況を判断する力がカギ。このメーカーのゲームは知育的要素が強いものが多く、主に学校など教育機関で使われているようです。

●「Das schwarze Loch(ダス・シュヴァルツ・ロッホ)」

ゴールに最初に辿り着いた人が負けという、すごろくを逆転の発想でデザインしたシンプルなゲームです。プロモ―ション動画を見ると屋外で遊ぶシーンが使われており、やはり布の特性である持ち運びの良さをウリにしているようです。実際、ドイツ滞在中は電車の中でこちらを広げて遊びました。布以外に、目の不自由な方も遊べるように、と作られた特注の木製ボード版もありました。ちなみにタイトルの「Das schwarze Loch」とはドイツ語でブラックホールという意味。ゴールがそれに当たります。

特注の木製版を抱えているのはゲームデザイナーのStefan Schwarzschulz(シュテファン シュワルツシュルツ)氏。彼とはこの時の出会いをきっかけに親交が深まり、それから数か月後、彼は私のオリジナルゲーム「Amen」も買ってくれました。このように作り手と直接コミュニケーションが取れるのもシュピールの良いところ。デザイナーにサインをもらえるイベントも各所で開催されています。

ちなみに福岡市博物館1Fみたいけんラボでこちらのゲームは遊べます。色々な人に遊んでほしいという思いから私が2016年4月に寄贈しました。(耐久性の問題から布ではなく紙製のパネルにしてあります)

福岡市博物館公式サイト 

●「Balance Duels(バランス デュエルズ)」

造形のすばらしさに一目惚れして買ったゲームです。プレイヤーは向かい合って座り、互いに自分の色の駒をサイコロの目だけ進ませます。全てを反対側の相手陣地にゴールさせたら勝ちですが、シーソーが地面に着くと負け。あまりゴールさせることばかりに執着してもいけません。常にバランスがどうなっているか、注意が必要。時には何も動かさないという選択が賢明な場合もあります。重力の要素を孕んだバックギャモン、といった印象です。

【番外編】

●くり抜かれた写真を合わせるメモリーゲーム「hab’s(ハブズ)」

シュピール会場ではなく、エッセンの世界遺産「ツォルフェアアイン炭鉱業遺産群」のミュージアムショップで見つけて購入したもの。レトロな外観に惹かれました。1950年代のドイツの生活をテーマにデザインされた円形カードが26組。円の内側がドーナツのようにくり抜かれていて、そのくり抜かれた内側と外側とで遊ぶ絵合わせ(神経衰弱)です。この発想は面白いです。VALINA社のウェブサイトをチェックすると、他にも動物や人間の顔をモチーフにしたものがありました。

以上、シュピールで見つけたゲーム紹介でした。とにかくものすごい熱気!これは現地に行ってみないとわからない感覚でした。行けて良かったと思っています。

シュピールについて詳しくはこちら

※2018年は10月25日(木)~28日(日)開催

日本でも「ゲームマーケット」というシュピールのようなボードゲームイベントが毎年定期的に開かれています。4月1日(日)は大阪、5月5日(土)6日(日)は東京でそれぞれ開催されます。ボードゲームの熱気を体感できるチャンスです。ぜひ参加ください。

「ゲームマーケット」について詳しくはこちら

文章・写真 津村修二

◆ボードゲームイベント情報

私がスタッフとして勤務している「つみきや」(天神イムズ6F)で開催しているゲーム会です。
詳細についてはそれぞれのリンクを参照ください。

3月21日(水・祝)「子どもゲーム会」 

3月23日(金)「大人限定 夜のゲーム会」 

3月24日(土)「ちょっぴり大人のゲーム会」 

つみきや 

※情報は2018.3.9時点のものです

津村修二

ツムラクリエイション代表。ボードゲームクリエイター/アーティスト。
1983年福岡生まれ。幼少の頃よりオリジナルのボードゲームや外遊びを考案し、小学6年生の時に福岡市全住所が登場する巨大すごろく「福岡市大すごろく」を制作。(2014年7月より福岡市博物館1階「みたいけんラボ」にて展示中)
2011年に「ツムラクリエイション」を起業。砂時計を使った新感覚の石取りオリジナルゲーム「Amen-アメン-」の製作と販売を開始する。
そのほか、各種ゲーム会やアート展を企画・開催し、ボードゲームの楽しさやデザインの美しさを伝える活動を続けている。
新聞・テレビなどメディアからの取材も多数。現在、天神イムズ6階「つみきや」のスタッフとしても勤務中。

ツムラクリエイション
http://tsumura-creation.com/

この記事もおすすめ