匠の技&愛らしい“唐子”『三川内焼』(長崎・佐世保)の魅力とは

現在の佐賀・長崎にあたる肥前エリアは「焼き物のまち」として有名です。有田焼、伊万里焼、唐津焼、武雄焼、波佐見焼・・・名前を聞いただけでそれぞれの器のイメージがわいてくるほど有名な焼き物が多くありますが、今回は長崎県佐世保市の「三川内焼」をご紹介します。

■三川内焼きとは?

三川内焼の歴史は、今から約400年前、豊臣秀吉が起こした朝鮮の役にさかのぼります。別名「焼物戦争」ともいわれるこの戦いで、多くの陶工が日本に連行され、それが日本のやきもののルーツになったことはよく知られています。

かつて「平戸焼」といわれた「三川内焼」もそのひとつ。平戸藩主が連れ帰った陶工が現在の平戸市に窯を持ったことが始まりとされています。その後、三川内焼は平戸藩の御用窯となり、藩の庇護の下、将軍家や朝廷に献上するお抱え窯として歩み続けました。

■特長は?

三川内焼と聞いてまず思い浮かぶのが可愛らしい「唐子(からこ)」と呼ばれる絵柄ではないでしょうか。

この「唐子」はかつては「献上唐子」と呼ばれ、庶民は手にすることができなかったそうです。しかも、松の木で戯れる唐子の人数が7人なら朝廷や将軍家、5人なら諸大名、3人なら一般武家と厳しく定められていたそうです。

また、艶やかな白磁と繊細な染付技術に加え、白い粘土を使って何度も重ね描くことで立体的な表現となる『置き上げ』という技法や、複数の飾りを貼り重ねて作る『貼りつけ』という技法も三川内焼ならではの匠の技です。

■三川内焼美術館

三川内焼の歴史や特長をもっと知りたいという人は、ぜひ「三川内焼美術館」を訪ねてみてください。ここには江戸時代から現在に至るまでの各時代の名品がそろっています。

18世紀にはヨーロッパに輸出され、欧州の王族貴族に愛され、うち数十点は大英博物館などに収蔵されている三川内焼。現在も40弱の窯が新たな作品を生み出しているそうで、宮内庁御用達の焼き物やヨーロッパの王室献上の器などを生産しているそうです。

最後に。三川内焼美術館に行ったらぜひ挑戦してみてほしいのがこちら。

この大きな皿にはなんと400人もの唐子が描かれているのですが、1人だけ顔が描かれていない唐子がいます。どこにその唐子がいるのか気になった方は、ぜひ美術館で探してみてくださいね。

撮影:Webマダム (山本美千子)

『三川内焼伝統産業会館(三川内焼美術館)』のHPはこちら

※情報は2018.5.6時点のものです

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