凛としたしつけが生む『断念』のトレーニング

休日、家族で天神で買い物をし
ふと警固公園に立ち寄ってみると
娘が
「お父さん!ちょっと遊んできていい?」
と滑り台へ。
「どうぞどうぞ。」

滑り台に行くと
3歳の男の子が滑り台の上に座り
滑る姿勢でこう言ってました。

「ぼくはすべらない!」

はて?
と思い様子を見ていると
その子のお父さんが困った顔をして
「ほら、早く滑りない。」
と促している。

でも、その子は両手でガシッと手すりを持ち
「ぼくは、ぜったいすべらない!すべるもんか!」
と頑固 笑。

次第に滑り台の上は行列ができていく。

お父さんは
「みんな待っているよ!早く滑りない!」
とその子の両手を引きはがそうとしている。

親なら、そうする、うん。

その子のお母さんは
とても困った顔をしてどうしていいか迷っている様子。

こういうのを見ると黙っていられない私は、
「私小学校の教員なんですが、、、」
と一応前置きして笑、
「この子に今教えたいのは『断念』ですよ。」
と話し始めた。
「断念?」
「そう、断念です。この子は今、わがままを言っていますよね?それは子どもだからあります。だから、この子に今教えたいのは、自分のわがままを抑えるという断念なんです。」
と言い、その子の前に笑顔で立ちました。

「滑りたくないんだって?どうしておりたくないの?」
「いやだから!」
「そうか、おじさん、君が滑るところ見てみたいなぁ。ピューってカッコよく滑るところ見てみたいなぁ。」
「すべらない!」
「君は滑ったことあるんでしょう?滑ってまた登ればいいよ。」
その子はジーッと私の顔を見ています。
『この大人はなにか違うぞ』
そう思っています。

子どもは直感でわかる生き物です。

『この人は何かわからないけど本気だ。ぼくのわがままは通用しないかも』
そう思っているようです。

私の表情は笑顔のままです。

そうしているうちに滑り台の上には5人並んでいました。

その子のお父さんやお母さんだけでなく
他の子の親も
私と頑固に座っている子のやり取りを見ています。

10秒ぐらい経ったでしょうか。
その子が
「10かぞえたらおりる!」
と言いました。
「よし、わかった!それじゃあみんなで10数えよう!」
と私は少し大きな声で言いました。

号令を私がかけます。
「じゃあいくよ!いーち、にー、」
並んでいる子たちも
周りの親もなぜか笑顔で数を数えます。

「さーん、しー!」

すると、その子が
「しー!じゃない。よん!」
と言いました笑。

「ごめんごめん、じゃあもう一回!」

再び数えます。
「いーち、にー、さーん、よーん、・・・、なーな、はーち、きゅー、じゅう!」

数え終わった後、
その子は私の顔をチラッと見て
ピューっと滑って行きました。

なぜか一同拍手 笑。

私はその子のお母さんに言いました。
「お母さん、今です。今、『よくわがままを抑えたね。』と言ってください。」

お母さんはその子のもとへ駆けて行きました。

 

躾(しつけ)と言うと
厳しいイメージがありますが、
決して厳しいだけではありません。

親が、大人が凛とした姿勢で
子どもに正面から向けば
その指導は真っ直ぐに子どもに入ります。

途中にも書きましたが
子どもは直感でわかるのです。

幼い時に断念のトレーニングをしておいてください。

わがままを諦める断念です。

※情報は2018.5.23時点のものです

ヒデト☆ティーチャー

中学1年のころ、イジメ自殺問題をニュースで見て学校を変えたい!」と教師を志す。大学時、学校と社会をつなぐ教師になる!と決める。子ども達と一緒にみんなで同じ目標をもって、学習、活動をするのが大好き。現役の小学校教諭。高校、大学時代はラグビーに熱中。『ラグビーに受けた恩は、ラグビーに返す。』2019年ラグビーワールドカップ日本開催に向けて尽力している。

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