医療の質の低さと知識の無さが招く、若者の死。

ただいま!福岡!ということで、5月初旬に今年の「アフリカ・マコンデ族の音楽と文化交流ツアー」実施のため、故郷・福岡県へ戻ってきました。
いやはや、この講義・公演活動のために日本に戻る前までモザンビークのスラムライフでいろいろなことが毎年起きるのですが、今年は、忙しすぎて激ヤセしてしまい、現在、モリモリと食べて回復中です。ダイエットしたい方は、ほんと、モザンビークに来て仕事を手伝ってほしい!!!確実に、痩せます!

スラム仕事で疲れても子供たちが元気をくれます。

スラム仕事で疲れても子供たちが元気をくれます。

さて、5月には福岡でイベントも実施し、沢山の方にお集まりいただきました。
今年は、8月9月にも福岡市でイベントを実施するので、
「アフリカ・マコンデ族の音楽と文化交流ツアー」イベントページもぜひチェックしてくださいね。

5月19日(土)20日(日)に開催された
国際協力フェスティバルin能古島 の様子

5月19日(土)20日(日)に開催された国際協力フェスティバルin能古島 の様子

5月は福岡に戻ってきてから、悲しいニュースも飛び込んできました。
来日公演を行っているミュージシャン兼NGOモザンビークのいのちをつなぐ会のスラムの学舎・寺子屋のディレクターでもあるナジャが20歳まで一緒に暮らした従兄弟ナングンドJrが病気で亡くなったのです。37歳という若さです。

モザンビークは、5歳以下の乳幼児死亡率が18%と高いですが、身近な20代30代と元気あふれる年齢の人が亡くなることも何度も経験してしまいます。それがお金を持っている人でも然り。

一番の原因は、病院の医療レベルの低さ、診断も治療もまともにできない環境がありますが、もう1つの問題、現地の人の習慣で、病院に連れていくよりも家でただ看病することを選択する、ということがあります。

今回のケースも私たちがモザンビークのペンバに居た時に、遠くの町に住むナングンドJrが体調を壊したという連絡があったので、首都の大きな私立病院で診てもらうように勧めたのですが、医療レベルの低い行政の病院で診てもらっただけで、正確な診断もできぬまま、家族が生まれ故郷のペンバへ、連れてきたのです。

正直、私は「治療するのではなく、最期を看取る準備をしているだけだ」と感じ、
彼の家族にもアドバイスをしたのですが、「家が良い」との返事でした。

そして、病名もはっきりしないまま、亡くなってしまったのです。

 

日本では近年、在宅医療・介護が推進されています。最期を自宅で迎えたいという人が55%なのにも関わらず、実際に自宅で最期を迎える割合は13%ほど。
1951年には自宅で最期を迎える人は、83%ほど居ましたが、その割合が急速に減っており、政府が手を打つため新たな仕組みづくりを行っています。

参考:在宅医療の現状(厚生労働省)

一方、モザンビークでは、多くの人が家で亡くなります。
日本よりも家族や親類の結びつきが強く、日本よりも多くの割合の人が最期は自宅で迎えたいと思っているでしょうが、いやいや最期を考える前に、治療でしょう!という状況なのです。

現地では、病院の他に、呪術師(生薬やまじないで治療する)が疾病の治療を行いますが、病院の質が低いため、どちらが良いとは言い難い状況です。
現に、病院で治療できないけど、呪術師のところに行って元気になった!というケースにも多々あってきました。

よって、呪術師の言うことを鵜呑みにしてしまうことで病気が悪化することもあります。病院の質が向上し、病院で正しい診断と治療ができるようになり、そして、住民が医療や健康の知識を身に付けていくことで、若い人たちの死は、防げるでしょう。

当会では、スラムの人たちの病気や怪我の相談や簡単な手当も行っていますが、「健康の知識」を少しでも身に付けていけるように新たな方策を練っていきたいと思っています。

モザンビーク・ペンバのお墓。

モザンビーク・ペンバのお墓。

2018年アフリカ・マコンデ族の音楽と文化交流ツアーイベントページはこちら

※情報は2018.6.1時点のものです

榎本恵

アフリカ南東部のモザンビークで、教育支援や人材支援、環境保全、公衆衛生設備などに取り組む。日本とモザンビークの相互理解のためのイベントなども開催。モザンビークのいのちをつなぐ会代表。http://www.tsunagukai.com/

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