マイホーム取得時期について早めの検討を!

来年10月、消費税率が8%から10%に引き上げられることがほぼ確実になってきました。マイホーム取得を検討中で、「8%のうちに購入しないと数10万円のソン!」と焦っておられる方もいるかもしれません。しかし一方で、政府は増税後の景気の冷え込みを防ぐため、新たな負担軽減政策を実施する方針を打ち出しています。

さて、どのタイミングでマイホーム購入に踏み切るのが本当におトクなのか、ライフプランナーであるソニー生命保険株式会社佐世保支社の木村勇介氏にアドバイスしてもらいました。

 

建物価格や年収によっては増税後の購入がおトクな場合も

高額な商品を購入する際、少しでも税率が低い方がトクだと考えるのは当然のことです。例えば3,000万円の家(新築)を購入する場合、増税後は60万円も多く消費税を支払わねばならないのに加え、不動産業者に支払う仲介料や住宅ローンの手数料、登記費用などの消費税部分も高くなるのですから、「マイホーム取得は増税前に!」と考えておられる方も少なくはないでしょう。

ただ、前回の増税時(2014年)に景気後退予防策として創設された「住まい給付金」や、増税に合わせて上限額が引き上げられた「住宅ローン減税」などは2021年末まで有効であり、このうち給付金は、10%への増税に伴って年収の上限と最大給付額を引き上げることが決まっています。

住まい給付金はもともと、住宅ローン減税のメリットがあまり受けられない低所得層の負担を緩和するために作られた制度なので、こちらを好条件にするからには、住宅ローン減税も条件を改善しないと、公平性に欠けてきます。そのため現在、40万円×10年間の控除上限額を、さらに引き上げる計画が出されているようです。

つまり、建物の価格とローンの借り入れ総額、購入者の年収などによっては、給付金や減税によるメリットが、増税による支出の増加額を上回ることもあり得るわけです。

 

「決定」するのは年末でもOK!でも、早めの検討が必要

親や祖父母が一定以上の資産をお持ちの場合、「住宅取得等資金贈与の非課税」制度を活用して相続税対策を行うという手もあります。これは、マイホーム購入資金の一部を親や祖父母から出してもらっても、一定額までは贈与税がかからない制度で、こちらも2021年末まで有効。

しかも10%増税から2020年3月末までは、省エネ住宅など優良住宅で3,000万円、それ以外は2,500万円まで、非課税限度額が拡大されることになっています。前述した住宅ローン減税の控除上限額を含め、住宅購入に関する増税後の新制度が正式に決まるのは今年末あたりでしょうから、増税前に契約するか増税後にするかの決定は、今年末まで待っても良いでしょう。

ただし、色々と計算した結果、「やっぱり増税前の方がおトク」となった場合、8%の税率が適用されるのは来年3月末までに購入契約を行った分まで。土地を購入して注文住宅を建てる場合、建物のプランニングと設計、ビルダーとの打ち合わせなどに半年近くかかるケースはザラですから、今年末になって土地探しを始めても、3月末までに正式契約にこぎ着けるのは困難です。

大急ぎで契約を済ませて、その後、契約内容に含まれていない追加工事が発生した場合、その追加分には10%の消費税がかかります。最近は、中古住宅を購入し、屋内・外を好みのスタイルにリノベーションして購入する人も増えていますが、その場合も、工事費をはじめ諸費用に消費税がかかります。

「決定」するのは今年末まで待ってもOK、しかし増税前購入がおトクな場合を考えると、検討と準備は今から始めても、決して早すぎることはないのです。

 

そもそも、いつ買うべきかライフプランを再検討

ここまで、消費増税に関する住宅購入のタイミングについてお話ししましたが、「いつ買うべきか」を判断する際、何より大切なのはしっかりした「ライフプラン」を作成することです。特に、就学・進学間近のお子さんがいるご家庭や、今から子作りしようというご夫婦の場合は、出産費用や子どもの教育資金プランまで勘案して家の「買い時」を考えることをお勧めします。

文部科学省の統計によると、幼稚園から高校まで全て公立校に通わせ、大学も国・公立に合格した場合で、子どもひとりに必要な教育費は約783万円。最近は“お受験”ブームで、中学から名門私立に通わせたいと考えるご両親も増えているようですが、高校、大学も系列の私立校だった場合、教育費は一気に約1,500万円に跳ね上がります。

高校・大学への入学時にはまとまったお金が必要になるほか、受験前に塾や予備校に通わせたり、遠方の大学に合格して毎月の仕送りが必要になった場合、前述の金額以上の支出が発生します。お子さんが2人以上おられる場合、上の子の大学入学前までにある程度の貯蓄をしておかないと、教育費を含む支出が収入を上回る恐れもあるわけです。

住宅の購入契約を結ぶ際、自己資金を捻出するために貯蓄の大半を費やすご夫婦も多いでしょうから、上のお子さんの大学入学までに、再び一定額以上の貯蓄ができるよう逆算し、住宅購入のタイミングを決める…という考え方もあるでしょう。

面倒な計算が苦手という方は、フィナンシャルプランナーに相談して、ライフプランをシミュレーションしてもらうのも良い方法です。例えば、住宅ローンを申し込む際、大半の金融機関が団体信用生命保険への加入を借入条件にしていますから、高額な死亡保険金を設定している場合などは保険の見直しなどのアドバイスも受けられるはずです。

生涯のお金の動きをきちんと把握し、無理のない住宅購入プランを立てることで、最適と思われる購入タイミングや資金プランも明確になりますよ。

※情報は2018.9.11時点のものです

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