福岡県の古墳巡り&遺跡の発掘・測量体験!

九州国立博物館がプロデュースし、考古学好きの女子部員たちが月1回ペースで遺跡などを巡る「きゅーはく女子考古部」。11月は、福岡県筑紫野市にある五郎山古墳(国史跡)と小郡市にある花立山穴観音古墳(件指定史跡)を見学、その後、発掘・測量体験にも取り組みました。

五郎山古墳は、6世紀後半に作られた装飾古墳で、福岡市最大級の円墳です。中に描かれている人物や動物などの壁画が何を意味するのか謎も多く、隣接する五郎山古墳館には、その謎を解明すべく、壁画を再現した実物大の石室もありました。

石室模型の中に入れるということで、さっそく中へ!懐中電灯を持って狭い中へ腰を落として入ってみると、一番奥に装飾壁画を見ることができました。

再現された石の積み方にも圧倒されました。

再現された石の積み方にも圧倒されました。

石室模型を体験した後は、いよいよ本物の古墳へ―。中は撮影禁止で、1000年以上前に描かれた壁画を窓越しに見ることができました。

※五郎山古墳の石室見学は、5日前までに予約すれば見せてもらえますので、ご興味のある方はぜひ足を運んでみてください。壁画は筑紫野市のこちらのページで見ることができます。

続いて、小郡市の花立山穴観音古墳へ―。

イノシシなど野生の動物に気を付けながら中へ。

この古墳は、石室に線を刻み込んだ「線刻」という装飾が施されているようで、格子文様や三角文様の線刻は、魔除けなどの意味が込められていたのではないかと考えられているそうです。

地元では古くから「穴観音さん」と親しまれてきた花立山穴観音古墳。注意して周りを散策すると、ここにも!あそこにも!と、たくさんの古墳が見られましたが、原形に近い形で残っているのはこの古墳だけだそうです。

石室の入り口だけ残っていた古墳も。

石室の入り口だけ残っていた古墳もありました。

午前中に2つの古墳を巡り、ランチを終えた後はいよいよ発掘に挑戦です!

向かった先は、小郡市にある現在発掘調査中の干潟遺跡。こちらの遺跡は、7~8世紀、一部9世紀にかけての大規模集落であることが、判明しているそうです。

既に、住居や廃棄土坑(割れた土器の破片などが捨てられていた穴)、溝(水路と推定されるが、土器片も見つかっている)などが見つかっていますが、まだまだ謎はたくさん残っています。

・・・ということで!さっそく遺構検出という作業(建物跡等を探す作業)に取り組む部員たち。

作業の中で、重要なのは土の色を見分けることです。古代の住居跡や柱跡の穴は、土に埋もれた状態で見つかりますが、その土はもともとの地面と成分が違うため、色が違います。土の色の違いを見ながら住居跡の形を探りました。

もともとの地面は茶色。溝(遺構)に埋まった土は黒っぽくなっています。

もともとの地面は茶色。溝(遺構)に埋まった土は黒っぽくなっています。

それでは、全員一列になってスタート!顧問、副顧問らの指導の下、専用のスコップで地面の表面を削ります。

まるで宝探しのような光景・・・。
掘り起こしているうちに、茶色と黒色の2色の境目があることが分かってきました。

そうこうしていると、赤茶色の土器の破片も発見!

さらに!黒曜石の矢じりも見つかりました!
※矢じり自体は縄文時代のもの。住居跡は古墳~奈良にかけてのもの?

そしてついに、住居跡の検出が終了。

重なるようにして正方形が並んでいるのが確認できます。このことから、時期の異なる二つの住居が、ここに存在していたことがわかりました。

住居跡の周囲には、丸い穴の跡も。

これは柱の跡でしょうか?

こうした地道な活動の積み重ねによって、昔の人たちの生活の営みが少しずつ分かってくるんですね。考古学ってすごい・・・。

遺跡発掘体験を終え、最後に取り組んだのは測量です。
測量には、様々な方法がありますが、今回は平板測量を行いました。

基準点から遺跡のポイントとなる箇所までの距離を測り、縮尺定規を使って、点を描いていきます。

点と点をつなげると、遺跡の形になります。
ほかにも、レベルという高さを測る道具を使い、遺構の穴の深さなどを測ります。

そうしてできあがった住居跡の測量図がこちら!

女子考古部こどもチームが作った測量図ですが、なかなかの出来栄えです。

古墳見学に始まり、遺跡発掘、測量まで体験した大満足の一日。部員たちは、貴重な発掘体験を通じ、考古学に関わる大変さ、面白さをより感じたようでした。

2018年最後の活動となる次回は、土器、埴輪作りに挑戦です。ご期待ください!

※きゅーはく女子考古部の詳しい活動内容は、九博ブログをチェック!

※情報は2018.12.12時点のものです

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