おもしろいコラボレーションをどんどんしよう!「おもコラどんどん」

こんにちは。ツムラクリエイションの津村修二です。
今回は先月行った遊びを作るワークショップ「おもコラどんどん」について書きます。

2019年1月27日、大分県日田市の中津江公民館にてワークショップ「おもコラどんどん」(以下おもコラ)を開催しました。
前日に大雪が降り、道路の凍結も心配されましたが、無事に辿り着き、一安心しました。

中津江公民館

中津江公民館

美しく雪化粧をした山々

美しく雪化粧をした山々

おもコラとは、人にはそれぞれに良さ(または違い)があるから楽しいという価値観に基づき、“おもしろいコラボレーションをどんどんしよう!”をコンセプトに開催しているワークショップです。

劇作家、演出家、俳優の高野桂子さん(演劇的ユニットPUYEY代表)とダンスアーティストの小笠原萌さん、それからボードゲームクリエイターの私、津村修二というジャンルが全く異なる3人が考案したオリジナルプログラムです。 
高野さんの出身地である日田市を中心に2014年より活動を始め、2014年度は9回、2015年度は4回、2017年度は2回とこれまで15回開催。小学生を対象にすごろくや宝探し、新しい遊びを作るなど友達と協力しながら遊びを創作するワークショップを続けてきました。

さて、今回の中津江公民館では小学4年生から6年生までの13名が参加。アシスタントに高野さんと共に演劇的ユニットPUYEYをやっている俳優の五島真澄さんを加え、4人の講師陣で開催しました。

まず、始めに参加した小学生に自己紹介。この時、必ずおもコラをする上での3つの約束事「ルールを守ること」「自分の身は自分で守ること」「とにかく楽しむこと」を子どもたちに話しています。これが守れないとおもコラを存分に楽しむことはできません。

ワークショップは10時から昼休憩を挟んで16時半まで行なっていますが、午前中は主に遊びを作る身体や心の準備をする時間にしています。最初は小笠原萌さんによる身体を使ったワークです。

自分の身体の隅々をリズムとともに起こし、目覚めさせます。次第にぽかぽかしていくのがわかります。

自分の身体の隅々をリズムとともに起こし、目覚めさせます。次第にぽかぽかしていくのがわかります。

自分で触れない背中は友達に触ってもらおう、と友達の背中をトントンしながらぐるぐる回ります。

自分で触れない背中は友達に触ってもらおう、と友達の背中をトントンしながらぐるぐる回ります。

2人組になって背中合わせで座り、立ち上がる。友達と息がぴったり合わないとできません。

2人組になって背中合わせで座り、立ち上がる。友達と息がぴったり合わないとできません。

手を合わせ、会話せずに自由に歩きます。想像力を働かせ、口ではなく、身体でお喋りします。

手を合わせ、会話せずに自由に歩きます。想像力を働かせ、口ではなく、身体でお喋りします。

身体の準備ができたところで、続いて高野桂子さんによる表現のワークへ。

まずは二人組になって、指定の文字で始まるものを探します。「た」であれば、「棚」など周りにあるものを見つけるのですが、名詞で適当なものが無ければ、自分たちで「平らな机」など言葉を作っていいというのが面白いところ。写真は「ら」で始まるものを探している様子。左は「ランニング」右はホワイトボードに描いた「ラマ」で無事探せました。

続いて、お題を聞いて、相談せずに即興でポーズをとります。写真のお題はコップとストロー。同じお題でもみんなそれぞれ表現が違うのが楽しいです。違っていいんだ、違いが楽しいんだという表現の下地を作っていきます。

今度はお題の絵を見て、ポーズを作ります。他の子たちはどの絵を表現しているかを当てます。

今度はお題の絵を見て、ポーズを作ります。他の子たちはどの絵を表現しているかを当てます。

さらにお題の絵に、講師が選んだ言葉(台詞)を加えます。絵からその言葉が活きるような物語を考えます。

さらにお題の絵に、講師が選んだ言葉(台詞)を加えます。絵からその言葉が活きるような物語を考えます。

一枚の絵からここまで物語を想像することができるのだ、と子どもたちの豊かな想像力に感動しました。

一枚の絵からここまで物語を想像することができるのだ、と子どもたちの豊かな想像力に感動しました。

ここで午前は終了。そして、午後からは実際にオリジナルの遊びを作ります。これは新しい遊びをみんなで作って遊ぶというもの。チームに分かれ、既存の遊びに特定の要素を加えて新しい遊びを作り、それを試して、改善しながら、より面白くしていきます。

まずはオリジナルボードゲーム「Amen」を例に、遊びが面白くなる要素とは何かを私から話しました。

まずはオリジナルボードゲーム「Amen」を例に、遊びが面白くなる要素とは何かを私から話しました。

続いて、遊び作りの5つのポイント「何度も試す」「遊ぶ人の気持ちになる」「アイデアは友達に話す」「友達の話はきちんと聞く」「あきらめない」を解説。みんな、真剣に聞いてくれていました。

続いて、遊び作りの5つのポイント「何度も試す」「遊ぶ人の気持ちになる」「アイデアは友達に話す」「友達の話はきちんと聞く」「あきらめない」を解説。みんな、真剣に聞いてくれていました。

元にする遊びは「あそびカード」から、加える要素は「プラスルールカード」からランダムに1枚ずつ引いて決めます。

元にする遊びは「あそびカード」から、加える要素は「プラスルールカード」からランダムに1枚ずつ引いて決めます。

今回は3チームに分かれて遊び作りをしましたが、以下のような新しい遊びが誕生しました!

創作ゲーム1「しりとリズム」(しりとり+リズム)

リズムに合わせてしりとりをします。リズムに乗れなかったり、しりとりが続かなかったりしたら、罰として”プンプンスカスカ怒った”と言うか、ダジャレを言わないといけません。みんなでリズムを合わせることで、しりとりに一体感が生まれて楽しくなっています。しりとりのテンポで難易度が変わりますが、そこに工夫が見られました。

創作ゲーム2「命がけじゃんけん」(じゃんけん+動き)

グーはダンゴムシ、チョキはサソリ、パーはモモンガのポーズを取ります。勝った方はその動物になりきってとどめを刺し、負けた方はやられた演技をします。トーナメント戦で最強と最弱を決め、その二人が戦って勝った方が真の王者となります。結果、最弱の子が最強の子を倒したので、会場は笑いに包まれました。じゃんけんして終わりではなく、その後に「やった・やられた」のアクションが入るので、普通にじゃんけんするよりずっと面白いです。

創作ゲーム3「だるまさんのジェスチャー」(だるまさんが転んだ+ジェスチャー)

鬼と人質がいて、人質は鬼から与えられるお題をジェスチャーで表します。例えば、「だるまさんがゴリラになった」なら、ゴリラのジェスチャーをします。他の人はジャスチャーをヒントにお題を当てます。正解した人は鬼に2歩近づけます。鬼が即興でお題を考える難しさと、なかなか鬼のところまで辿りつかないのが課題でしたが、アイデアとしては新しくて面白いと思いました。

遊びの後はみんなで輪になって、今日の振り返り。子どもたちに順番に感想を聞きましたが、「遊びを作るのは大変だったけど、楽しかった」という声が多くて、後に行ったアンケートでも同様の感想が多かったです。

そうなんです。遊びを作るって、本当に大変なことなんです。どうやったらみんなが面白いと思える遊びになるか、遊ぶ人の気持ちになって考える想像力が必要で、そう簡単にはいきません。苦しいです。プロのクリエイターでもそこでもがき苦しみます。それでもあきらめずに作って、自分の作ったものを人が楽しんでくれた時、とても救われたような気持ちになります。その瞬間、それまでの苦労が一気に吹き飛び、大きな喜びが溢れます。やっぱりその成功体験が大事だと思うんです。何か壁にぶち当たった時でも、あきらめずに試行錯誤して最後までやり遂げることで、その先にきっと楽しいことや喜びが待ってる、という実体験。そして、一人で解決するのが難しいときは、おもコラの精神で友達と一緒に力を合わせていいんだ、と。

これから先、参加してくれた子どもたちがどこかのタイミングでこの体験を思い出した時、その子たちの背中を前へ押すことができたら嬉しいです。

長くなりましたが、こんな貴重な経験ができて、大変ありがたく思っています。
中津江公民館の子どもたちはみんな素直で、想像力豊かで、本当に良い子たちばかりでした。
機会があれば、またぜひ遊びを作りに行きたいです。
子どもたち、公民館の方々、おもコラメンバーに心から感謝します。ありがとうございました。

ワークショップ終了後は全員で記念撮影。「おもコラ~!」「どん!どん!」

ワークショップ終了後は全員で記念撮影。「おもコラ~!」「どん!どん!」

おもコラメンバー(手前が高野さん 左から五島さん、私、小笠原さん)

おもコラメンバー(手前が高野さん 左から五島さん、私、小笠原さん)

文章 津村修二

※情報は2019.2.5時点のものです

津村修二

ツムラクリエイション代表。ボードゲームクリエイター/アーティスト。
1983年福岡生まれ。幼少の頃よりオリジナルのボードゲームや外遊びを考案し、小学6年生の時に福岡市全住所が登場する巨大すごろく「福岡市大すごろく」を制作。(2014年7月より福岡市博物館1階「みたいけんラボ」にて展示中)
2011年に「ツムラクリエイション」を起業。砂時計を使った新感覚の石取りオリジナルゲーム「Amen-アメン-」の製作と販売を開始する。
そのほか、各種ゲーム会やアート展を企画・開催し、ボードゲームの楽しさやデザインの美しさを伝える活動を続けている。
新聞・テレビなどメディアからの取材も多数。現在、天神イムズ6階「つみきや」のスタッフとしても勤務中。
福岡大学商学部篠原巨司馬准​教授ゼミ・ゲスト講師。

ツムラクリエイション
http://tsumura-creation.com/

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