【高山美佳】耳納連山と巨峰畑 田主丸町に魅せられ13年 人の風景撮り続ける

よく聞かれます。「地域デザイナーってどんなお仕事ですか?」と。

 

もともとデザインの勉強をしていたわけではありません。結婚し移り住んだ田主丸にびょうぶのように連なる耳納の山と、巨峰畑の日々刻々と変わる風景があまりにきれいで、貯金をはたいてニコンの一眼レフを買ったのが、思えば原点です。道で会って話しこむ、農家のおっちゃまやおばしゃまたちの話は初耳ばかり。感心していると「当たり前かと思とった」といわれる不思議。やがて、涙なくしては語れない巨峰開植の歴史との出合いもあり、気づいたのです。この風景は、農家さんたちが手塩にかけた、生業のたまものなんだなあと。

 

毎日、無我夢中で人がいる風景を撮り続けました。話につられ、自分が心から笑っていると、写真も実にいいお顔。時に感動で、涙で顔くしゃくしゃで撮ったものもありますが、そんな写真に方言を交えた文をつけ、もそもそと本やウェブを作っていたら、田主丸へ行ってみたいという声をいただくようになりました。知り合いもなく寂しくて、高速とばして友人と天神ランチしていたのもつかの間、いつの間にか田主丸は、訪ね来る人をもてなす、第二の故郷となっていました。

 

「○○してもいいですか?」と聞くと「よかどこじゃねぇ!」と返ってくる定番の田主丸弁があります。「いいどころではない、やんなさい」という、その最上級の言葉に背中を押され、表現し続けて13年。他のまちを訪れる今も、相も変わらず、迷ったらまちと人の風景をじっと眺めます。そこにある物語を探し、編んで伝え、互いに元気づけられる日々。

 

なかなか素敵な仕事です。

from西日本新聞「わたし活性化計画」面

 

※情報は2014.10.18時点のものです

高山 美佳

長崎市出身。2001年、福岡県久留米市田主丸町に結婚を機に移り住み、独学の写真とデザインで地域の力を伝え始め、今に至る。九州一円の風景や人、物語にあふれた表現、地域ブランディングの原点は日々の田舎暮らしという2児のママ。

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