【方言ぽっこり】日本人の悲しい性(さが)「いっちょ残し」

「うんにゃ、そっちじゃなか。」

 

柔らかく聞こえてしまうのに、「うんにゃ」が伝えるのは否定。

にゃ、て。猫か!と。

否定されてるのに、内心ニヤっとしてしまう。

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例えば、4人でご飯を食べに行って、唐揚げが5個盛られた大皿が出てきたとき、それは起こります。


 

 

(最後の一つが、いつまでも残っている…!!)

 

私はこれを、『日本人の悲しい性(さが)』と名付けております。

 

遠慮がちで、他人を気遣う美しい国民性なのか。

はたまた、最後の一つに手を出す卑しい人間と思われたくないだけなのか。

 

理由はさまざまあれど、残された一つは、

冷めて本来の美味しさを損ないながら、「これ、誰も食べないなら食べちゃうよ?」

という合図を待つことになるのです。

そして、いざ食べたらなんも美味しくありません。

お皿も片づきません。

良いことなしです。

 

誰しも、一度はそういった場面に立ち会ったことがあるのではないでしょうか。

 

 

 

「『いっちょ残し』って知ってる?」

 

定期的に方言ネタを提供してくれる姉が、ある日そんなことを言ってきました。

姉の後輩(佐賀県出身)いわく、

佐賀の人は大勢で食べているとき、最後の一つにはあえて手をつけない傾向にあるのだとか。

 

そのことを、「いっちょ残し」と言うのだそうです。

それはまさに、『日本人の悲しい性』現象ではないですか。

 

いっちょ=ひとつ

 

これは福岡の私たちにも十分通じる方言ですよね。

 

見事、あの現象をそのまま分かりやすく、というか見たまんま、表現してくれています。

『日本人の悲しい性』なんて回りくどい言い方をしなくとも、素敵な方言がありました!

 

 

ちなみにこの「いっちょ残し」。佐賀だけではなく、熊本の方でもいうみたいですね。

 

佐賀んもんのいっちょ残し。

 

肥後んもんのいっちょ残し。

 

という言葉が、実際にあるみたいです。

 

 

脈々と言われているということは、ご先祖たちもずっとこの現象を目にしてきたということ。

どうぞどうぞと他人に譲る遠慮がちな性格は、ずっと昔から続く人間性なのかなと、和んでしまいました。

※情報は2014.11.5時点のものです

久保田美栄

1982年生まれ。福岡県うきは市出身。高校卒業後、上京。
在京13年を経て、筑後弁と標準語を使い分ける『方言バイリンガル』に。
現在は、東京にて映像制作の仕事に就く。

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