【高山美佳】体験とおもてなしの旅企画 根底にあるのは幼少時のワクワク感

小さいころから、旅が好きです。

 

仕事が忙しかった父ですが、時間を見つけては、家族を海へ山へと連れて行ってくれました。ところが行く先は、いわゆる観光客がいくところ、ではありませんでした。海なら砂浜ではなく岩場に連れられ、弟と母と海に浮かぶゴムボートの上。父はウオーターライフル片手にさっさと素潜りで、今でいう「魚とったど~」とあがってくる姿を待つこと数時間。でも。父自ら出刃でさばく刺し身のおいしさは格別でした。貝殻や怪しい漂流物拾いも、また楽しみのひとつ。

 

 夜中のクワガタ採り、ウナギ釣りしながら河原で数珠とり。農家さんと芋堀りしてたき火で焼き芋。逆上がり特訓用の鉄棒を作ってもらうぞと鉄工所見学。たいてい予告なしなので、弟といつもわくわく父の休みを待っていました。

 

海や山、畑に遊び、地の人のお話に耳傾け、地のものをいただき、そこにしかないおみやげと思い出を持ち帰るという、父流の小さな旅。今、久留米の「まち旅」や柳川の「ゆるり旅」といった、体験とほとめき(ちっご弁でおもてなし)の旅を、みんなでわいわいいいながらつくるとき、折に触れ思い出します。

 

いずれも観光商品という言葉が面はゆい手づくりの旅で、そこが人気のゆえんです。職人さんと過ごすひとときで知る、ものづくりのまち、久留米の心。水郷の流れと同じ、ゆつら~っとした柳川時間。中心街からは見えないけれど、農の底力。旅は、まさに幾万通り。今、日本全国で、そんな小さな旅が立ち上がり、地域の元気の元となっています。

 

私も子どもたちもDNAが騒ぎます。

「さあ、次はどこに行こうかな!」

from西日本新聞「わたし活性化計画」面

※情報は2014.11.15時点のものです

高山 美佳

長崎市出身。2001年、福岡県久留米市田主丸町に結婚を機に移り住み、独学の写真とデザインで地域の力を伝え始め、今に至る。九州一円の風景や人、物語にあふれた表現、地域ブランディングの原点は日々の田舎暮らしという2児のママ。

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