福岡の書店員さん、君の推薦する本を読みたい【福岡キミスイ本 第14回】

 福岡の書店員さんに、福岡ゆかりの本を紹介してもらうファンファン福岡の「福岡キミスイ本」シリーズ。第14回目は「福岡金文堂 姪浜南店」の太田尚香さんに会いに行きました。同店は商業施設ウエストコート姪浜(福岡市早良区)内にあります。

店内キャンペーン中の「おしりたんていクイズ」の前で待っていてくれました

店内キャンペーン中の「おしりたんていクイズ」の前で待っていた太田尚香さん

―こんにちは、きょうはよろしくお願いします。その「おしりたんてい」のポスターは何ですか?

 「おしりたんていなぞときキャンペーン」を店内で展開しているんです。なぞを解いてくれた子どもさんに賞状を渡したりしているんですよ。 ※取材時。現在は終了。

―よく見ると、いろんな場所になぞが貼ってありますね。楽しそうです! さすが、児童書に力を入れておられる店舗ですね。

 住宅エリアにあり、小学校や幼稚園にも近い店舗なのでファミリーで来店されるお客さまが多く、いろいろ工夫しているんですすよ。11月中旬以降は、クリスマスシーズンにぴったりの絵本をまとめてご案内する予定です。

―さて、今回紹介してくださる福岡ゆかりの本は何でしょうか。

 福岡県出身の中田永一さんの作品「百瀬、こっちを向いて。」(祥伝社文庫、571円+税)です。2008年5月に出版された短編の恋愛小説で、同タイトルを含む4編が収められています。

「私物を持って来ました」と

「大好きな一冊を紹介します」と太田さん

―そのタイトル、聞いたことがあるような…。

 2014年に向井理さん主演で(同名)映画にもなったので、ご存じの方もいると思います。それに書籍自体も累計22万部も売れている人気作です。中田永一さんの作品は、ほかに「くちびるに歌を」なども映画化されていますね。

―それは確か長崎県五島市が舞台でしたよね。

 そうです、そうです。そしてこの「百瀬~」は、福岡県久留米市が舞台です。主人公は、大学卒業を控えたノボル。自分のことを「人間レベル2」「薄暗い電球」と称するような、さえない男子高校生の時に、クラスの美少女、百瀬陽と付き合うふりをすることになり…。と男子の目線で描かれている物語です。

―主人公が高校生の時を振り返る話なんですね。

 はい。切なくて、でも明るくて爽やかで、みずみずしい物語です。恋愛を扱っていますが、友人関係の話でもあります。「高校生ってこんなだよなあ」とか、共感できる描写が随所に散りばめられているんです。私は女子高に通っていたので、環境は違ったんですけれど(笑)。

―太田さんは、ひょっとして主人公とそんなに違わない年代なのでは?

 今年、高校を卒業して金文堂に就職したので…。

―最近まで高校生だったんですね! これは私物ということですが、手に取ったきっかけは?

 高校生の時にこの店で本を選んでいて、自然と目に留まったんです。目に飛び込んできたというか。

ダブルカバーがしてあります。太田さんの私物を撮影させてもらいました

ダブルカバーバージョン。太田さんの私物を撮影させてもらいました

―カバーなどとてもきれいなままで、本がお好きなのが伝わります。就職される前から、この店を利用されていたんですね。

 実は中学生の時に、このお店に入ったら「何をお探しですか?」と現在の店長が声を掛けてくださって、いろいろすすめてくれたんです。ほかにも、親身になって教えてくれるスタッフの方がいて。それから読書がとても好きになりました。いつか仕事もここでと憧れて…、ついに入社しました(笑)。

―そんないきさつが! その経緯は店長はご存じなんですか?

 言ってないです(笑)。

―何だか小説のようなエピソードですね。

 この本の話に戻りますね(笑)。久留米市や福岡市の街が出てきますし、ミステリー仕掛けにもなっていて、どんどん読み進められます。他の3編も福岡が舞台で、これらもとてもよい話です。大好きな一冊です。

―調べると、作者は乙一さんの別名義なんですね。きょうもいろいろ参考になりました。ぜひ読んでみたいと思います!

 何を読んだらいいか分からない時は、書店員に気軽に声を掛けてみてください。私もそうやって、好きな作品に出合えました。

※情報は2019.11.16時点のものです

なかむら

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