【高山美佳】畑で食べた大根に感動 農家の熱意知り おいしさの意味を考えた

おいしいって何、とよく考えます。

 

先日、面白いことがありました。田主丸で冬の根菜収穫バスツアーをしたときのこと。

あいにくの小雨で、農道でバスを降りたみなさんは「寒~い」の一言。

 

筑後平野の大根畑でお出迎えの農家さんの「4本抜いてよかですよ~」の声に、「え~、1本でよか」という声もぼそっと聞こえてきます。

 

東北の遠洋漁業基地で廃棄されてきたかつお節を砕いた魚粉堆肥。だから甘みが違うとです、と白い息を吐きつつ熱く語る農家さん。足ほどもある大根を、よいしょと引っこ抜き、菜っ葉包丁で輪切りにするや「ま、食べちみんですか」と差し出しました。

 

この輪切りをかじったとたん、みなさんの顔が、声が、農家さんがたじろぐほどに、ぱあっと熱く一変しました。「何っ、これ?」。その半透明の大根は、冷えた極上フルーツのような甘みです。どんなにか味が染みて軟らかく炊けるでしょう。頭におでんの鍋が浮かびます。

1本でよかという人は、もはや誰もいません。その後は、だご汁、3品種食べ比べクイズのご飯、秘伝のたくあんを農業倉庫でいただきました。体に染みいる一汁一菜の味。行く先々で農家さんとの話に花が咲き、バレイショに富有柿、寄せ植えと、重いでしょうに、みなさん実にうれしそう。

 

今、世の中は、おいしいものでいっぱいです。情報であふれかえっているからこそ、田んぼや畑に足を運んで、農産物を食べてほしいなと思います。農家さんと会って、物語を聞いて、食べて、「おいしい」の本当の意味を見せていただいた、そんないい一日でした。

from西日本新聞「わたし活性化計画」面

※情報は2014.12.13時点のものです

高山 美佳

長崎市出身。2001年、福岡県久留米市田主丸町に結婚を機に移り住み、独学の写真とデザインで地域の力を伝え始め、今に至る。九州一円の風景や人、物語にあふれた表現、地域ブランディングの原点は日々の田舎暮らしという2児のママ。

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