高倉健さんの隠れた名作映画「遙かなる山の呼び声」

11月10日、高倉健さんが永遠に旅立ってしまいました。

映画に心を運んでくれた健さんを偲んで、今回ご紹介する映画は、高倉健主演・山田洋次監督の「遙かなる山の呼び声」(1980年)

モントリオール 第一審査員賞 受賞作品です。

 

東映時代の「日本侠客伝」「昭和残侠伝」「網走番外地」等が、深夜映画で賑わしていた頃、フランス映画に没頭していた私は、健さんの人気も映画も十分認識していましたが、恥ずかしながら初めて銀幕の健さんを見たのは、吉永小百合と共演した2・26事件を題材にした「動乱」(1980年)でした。

 

「日本にこんなにかっこいい俳優がいたんだ!」と、軍服と和服の健さんに完全に魅了されました。それからです。過去の任侠映画を12件のレンタルビデオ屋で借りまくりほぼ完全制覇。

そして「動乱」と同じ年の作品、この「遥かなる山の呼び声」に至っては、またまた恥かしながら、封切館、二流館、三流館で30回以上観たあげく、舞台となった中標津まで行ってしまいました。(ほとんど狂気!) 

この映画を観た後で「幸福の黄色いハンカチ」を観たので、網走を始め、この二本の映画の舞台になった道東をめぐる旅はなんだか健さんと旅している気分になったものです。

【ストーリー】

道東の酪農の町・中標津で、夫を亡くして息子を抱えてひとりで牧場を切り盛りしている風見民子のもとに、雨の激しいある晩、頑強そうな男・島耕作がひと晩泊めてほしいとやってきた。男は納屋で泊ったその晩、牛のお産を手伝い、朝去って行った。

春になり、男は再び風見家を訪れ、タダでもいいから働かせてほしいと云った。男手のない酪農の仕事は民子にはあまりに過酷であり、訳あり気な男に不信感を抱きながらも民子は承知した。

父親のない息子の武志はすぐに男になついた。民子がぎっくり腰で入院したのをさかいに、武志と男の絆が強くなり、退院した民子も島耕作に徐々に心を開き、惹かれていくが、やがて別れがやってくる、、、、。

そして涙、涙のラストシーン。

 

北海道の大自然を背景に、高倉健さんや倍賞智恵子の自然な演技に加えて、数千人の応募者から選ばれた当時10歳くらいの吉岡秀隆君の超自然体の演技、そしてやはりここでも「幸福の黄色いハンカチ」のようにチョイ役で渥美清がいい味を出しているのが見どころです。

 

「居酒屋兆治」で共演した加藤登紀子が「健さんの生き様がバイブル」と語っていました。

俳優としてというより人間として、古きよき日本の心をその佇まいと生き方によって示してくれた健さん、心よりご冥福をお祈りいたします。

 

では、皆さん、Merry Christmas & A Happy New Year !

 

※情報は2014.12.18時点のものです

銀幕ヨーコ

趣味は映画、美術、音楽鑑賞、旅行、読書、さらには空手。

映画は邦画、洋画、ジャンルを問わずなんでんかんでん観ていた時代を経て(オカルト系は苦手)、やっぱりヨーロッパ映画が一番好き。でも韓国映画もいい、中国、台湾、いやインド、イラン映画も捨てがたいな。そうやって私の好きな作品を選別していくと、実は世界の名監督たちが日本の小津安二郎監督作品に強く影響されているという共通点があったんです。これから小津作品に影響力受けた各国の名画を中心においおいご紹介したいと思います。

よろしく!

関連タグ

この記事もおすすめ