【高山美佳】「売れる特産品」とは? 生産者の情熱 原動力に ロマンと物語よ伝われ

今、地方創生のかけ声のもと、「売れる」地域特産品づくりという”超難題”が突きつけられています。

 

日々のデザインで、大切にしているのは五感です。また食べたいという気持ちが周りにも伝達していくよう、まず名前が命!「この間食べておいしかった」と言っていただけたら最高ですが、「アレよ~アレアレ」とならない、記憶に残る響き。そして、あふれるモノの中で目にとまる色や箔の輝き、手にとったときの手触り。もちろん何より味ですが、味を大きく左右する香りも。

 

丹精こめて栽培したフルーツの加工品など、果汁0%なのに、イチゴやブドウの味がする商品が待つ荒海へとこぎだす小舟のようです。

 

仕上げとなるラベルには、口べたな地域に代わって、地域や原料の歴史、旬の山積みの原料と格闘する加工現場という「物語」を刻みます。棚に鎮座していても、物語よ、風景よ伝われ、と。

 

でも、売れる原動力は、何と言っても関わる人々のロマンと情熱。福岡県の久留米市田主丸町のワイナリー、柳川市産のいちご「あまおう」、福岡市の企業による企画と出資、販売という、3地域の縁から生まれたスパークリングワインもその一つ。あまおう100%で仕込むぜいたくさもあり、誕生まで「売れない」と幾度といわれたことか。しかし、産地と企業の思いが、旬ぎりぎりで市場を動かしました。ルビー色した泡玉美しいワインは人々を魅了し、数日で完売という奇跡は起きたのです。泣けました。

 

地域の特産品にはマーケティングを超えた世界があると思う今日この頃。今年もあまおうの仕込みが始まります!

from西日本新聞「わたし活性化計画」面

 

高山さんのコラム

耳納連山と巨峰畑 田主丸町に魅せられ13年 人の風景撮り続ける

体験とおもてなしの旅企画 根底にあるのは幼少時のワクワク感

畑で食べた大根に感動 農家の熱意知り おいしさの意味を考えた

地方の魅力 都市に伝われ 人のつながり積み重ね 定住人口増やしたい

※情報は2015.2.14時点のものです

高山 美佳

長崎市出身。2001年、福岡県久留米市田主丸町に結婚を機に移り住み、独学の写真とデザインで地域の力を伝え始め、今に至る。九州一円の風景や人、物語にあふれた表現、地域ブランディングの原点は日々の田舎暮らしという2児のママ。

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