アルコール中毒、ドラッグ中毒、そして…『肥満』☆どくだみJAPAN

先週、イギリスのキャメロン首相が、「アルコール中毒、ドラッグ中毒、肥満が理由で、治療を拒むが故に労働市場に戻れない者は、社会保障の疾病手当を失うべきだ」との考えを示した。現在イギリスで、これらの理由で疾病手当を受けている人は10万人を超えていると言う。

 

アルコールとドラッグと並んで肥満が扱われることに驚きである。これらの解決可能な健康上の問題に、本人の治療拒否が理由で税金が使われることはおかしいという考え方に基づいている。肥満に対する考え方に、日本人にとってはちょっと行き過ぎた感があるが、実はこれは、イギリスの医療費が無料であることに起因している。医療費が無料の社会(ちなみに教育費も無料)では、肥満が原因で起こる内臓疾患の治療に多大なる税金が使われていることが重要視されている。

 

このキャメロン首相、実は2011年にも、肥満撲滅のために、「脂肪税」なるものを導入しようとした。脂肪の含有率の高い食品に対して、その含有率に応じて税金をかけるという。

主役はどっち?

主役はどっち?

実は、イギリスは消費税が高いことで知られているが、低所得者層を保護する目的で、食品と子供用品には税金がかからない。そんな中、脂肪含有率の高い食品に税金をかけるという戦略に、賛否両論があった。

 

批判のロジックはこうである。

 

肥満率が高いのは、実は、社会階層の低い低所得者層。これらの低所得者層はコストを優先するがゆえ、手作りよりも安い加工食品やジャンクフードを多く食べているのが現状である。さらに、肥満に悩む人は、必ずしも、痩せることを怠っている怠慢なのではなく、努力しても痩せることのできない人が大半だという論調だ。

質より量で!

魅惑のアイスクリーム…

私が一番驚くのは、何が問題で、その解決のために何をすべきか、そしてそうするための手段は何なのか、というロジックが非常に直接的で戦略的であることである。日本では、色々な政策が議論されるものの、議論を聞いていると、いつの間にか煙に巻かれたような気分になるのは私だけだろうか。

【どくだみJAPAN☆は毎週月曜日午後9時にお届けします】

※情報は2015.2.16時点のものです

モンキーディーバ

大学卒業後、大手広告代理店を経て渡英。ロンドンでは日本文化の専門家としてBBCラジオに出演。ディレッタントとしてロイヤルアルバートホールで歌った経験も。現在は、英国人の夫とふたりの子供、生まれたてのボーダーコリーと糸島でスローライフ満喫中。

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