【西出裕加子】英企業が新制度 無期限の有給休暇 「信頼と責任」定着なるか

昨秋、センセーショナルな新聞の見出しに目が留まった。「英ヴァージングループ、有給休暇の期限をなくす」。常に画期的な経営戦略で社会を活気づけてきたCEOリチャード・ブランソン氏が、グループ会社社員の有給休暇の取得を完全に自己管理するという。フレックス制などの働き方は浸透してきたが、有給休暇についてはいまだに上司への事前申請と承認が必要となり、旧態依然としていると主張する。

 

具体的には、社員は、業務に支障を来さない限り、上司への事前申請や承認なしに、好きなときに好きなだけ休みを取れる。こんな夢のような話が現実になるなんて、本当に斬新な経営者だと驚かされたが、実は同社以外にも、有給休暇の期限がない会社は欧米にはいくつも存在する。社員が休み続けたら会社として成り立つのか。おそらくこれが、日本人の反応であろう。

有給休暇の管理が自己責任になったら、あなたならどう使いますか?

有給休暇の管理が自己責任になったら、あなたならどう使いますか?

英国の報道によると、有給休暇の管理を自己責任にすることで社員の不安とストレスが減り、会社から信頼されているという認識から責任が芽生え、会社に最大利益をもたらす行動を取るようになり、新しい制度を悪用する人はいないという。社員が自分の時間や家族との時間を持つことでより幸せになり、より働くようになるとの調査結果が出ている。

 

資本主義化が進んだ社会では、労働力の置き換えが容易にできることが求められる。そのため全てがマニュアル化され、コスト換算され、個性よりも効率性が強調される。個々人の責任感を感じ、意向を尊重し、会社と個人が信頼し合う関係を、組織の風土として定着させようというヴァージン社の動きに注目したい。

from西日本新聞「わたし活性化計画」面

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※情報は2015.2.21時点のものです

西出 裕加子

大学卒業後、広告代理店を経てロンドン大学修士留学。英系広告代理店に勤める傍ら、オペラの勉強をする。約10年にわたる英国生活を経て福岡県・糸島へ。現在はヒルトン福岡シーホークマーケティングマネージャー。2児の母。

西出さんのインタビューはこちら⇒https://fanfunfukuoka.com/people/11969/

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