オレオレ詐欺?!息子からかかってきた不審な電話〜NAI・NAI起業のなまはげみきvol.52

♪NAI-NAI-NAIお金ない、NAI-NAI-NAI 場所もない、NAI-NAI-NAI でもとまらない~.

お金も人脈も知識もなく起業した太刀山美樹です。

 

オレオレ詐欺?30円事件

30円…!?

30円…!?

ピンポーン、早朝にインターホンが鳴る。

こんな時間に宅急便じゃないよね…

 

玄関の扉を開けると、大阪の大学に通っているはずの息子が突っ立っていました。へへへと照れ笑いしてる中にも「痩せたな…」ちょっとやつれています。髪の毛はぼっさぼさ、私の顔を見て、ほっとした表情です。

 

開口一番、「とにかくお腹すいた」と息子。

 

「ご飯作るから、とりあえずバナナでも食べていて」と私。

 

「うう…バナナは…もう…勘弁」とおびえる息子。

 

「ははあ…そういうことですか…」その様子を見た私は、

「あ~~またこいつ、寄り道とは言えない遠回りを、どこかしてきて自転車で福岡まで、バナナで食いつないで、帰ってきたんだな」

と、またも推測し笑ったのでした。

(バナナは…と言いながらも、お腹がすきすぎて、ご飯ができるまで我慢できなかったようで、結局バナナをモグモグしていました)

 

本人に聞かなくても、何をしたかはわからないけど

なにか、またおもしろい経験をしてきたんだろうなと。

 

実はこの日の数日前、何度か私の携帯電話が鳴っていたのです。

早朝、最初の2回は取り損ねていました。

少し間をおいてかかってきた3回目、とった電話から聞こえてきたのは

「あ、でた!!あのね、おれ!ってさ、オレオレ詐欺じゃないんだけど(笑い声)、お金、30円…(ツーツーツー)」

30円…???

声の調子から、息子が切羽詰まっていることを母はすぐに推測しました。

 

息子の言いたかったことを分かりやすく言うと、こういうことなのです。

 

「お、やっと電話に出た。オレ、オレって連発している俺って、オレオレ詐欺みたい(笑)、やばっ、それどころじゃない、公衆電話だった。早くしないと最後の30円のお金がなくなる、母よ、すまない、お金がもう完全にない…あ、切れた」

 

電話を取って、息子の声を聞いた私は

もう、ひとり爆笑し、可笑しく、可笑しくて…。

 

今までの、息子の行動パターンから、さらに状況は推測できたのでした。

 

どこかに自転車で出かけた。
     ↓

フラッと、思いがけず、その足を伸ばしてしまった。

     ↓

計画して動いてなかったので、何かそれに必要な道具が足りない。

     ↓

けど、しばらくどうにかなるだろう…と思って進んでしまう。

     ↓

実際、先で困るのはわかっていたが、これまではどうにかなっていた。

     ↓

だんだん、困ってきたが、これまでも、なんとか、どうにかなったし……

     ↓

試行錯誤してみる。

     ↓

いよいよ困った。

     ↓

…すまん、母よ

     ↓

最後の砦に連絡した。

 

きっと、こういうことだったのでしょう。

私の方はと言えば、

 

もうしばらくの期間なら、きっと、どうにかするだろう…

おもしろい!

とりあえず国内だし、男の子だし、今までの経験あるし、

どうにかするだろう…くくく…(笑)

どこで何をしているのだろう。あとで話を聞くのが超たのしみ!!

息子よ、どこでどんな景色を見てきたの?(イメージ)

息子よ、どこでどんな景色を見てきたの?(イメージ)

こうして、数日後、

なんとか家にたどり着いた息子。

私は、もう少しほっておこうとしたが、

ここから以下は息子が私に話してくれた事です。

 

たまたま父から仕送りはいり、

最低限をおろす事ができた。

でも最低限しかおろさず、ここまで帰ってきたんよね。

 

朝ご飯、目一杯頬張りながら、息子がその後も話す内容は…

私の推測そのままでした。

 

城が大好きで、岡山まで行こうと思って、出かけたんだけど。

いろいろ巡っていて、見ちゃったんだ。

 

雨の中、台湾の人達がにっこにこ笑いながら、
あ!にこにこじゃないよ、にっこにこだよ!!
しまなみ街道を渡っててさ…、

 

「楽しそうだな」って俺も、つい渡っちゃうんだけど。

これがこの旅の始まり…。

この景色が見たくて、ついついこの橋を越えちゃうんです。

この景色が見たくて、ついついこの橋を越えちゃうんです。

自転車こぎ続けるには、いろいろ回った後で、疲れてきていたんだけど

「雨に濡れた体を乾かすためには自転車を漕ぐ方が早く乾く」

と思い、ばんばん漕いでいた。

 

だけど、また雨が降りはじめるわ…

もう〜疲れたなと思った時には、

(しまなみ街道の)7つの島を通り過ぎていて…で!!

村上海賊の拠点である能島城を見つけたんよ!!

もう~嬉しくて、

海賊のところだから、こんな事では負けられないと、 

「おれ、幸せだ~」と叫び、びしょ濡れのまま松山に着いた。

 

暖をとるには…と道後温泉に行き、足湯で疲れ切った足を休めると、

(夜は11時まで、朝は5時から無料で入れる)

お遍路さんたちと出会って、いろいろ教えてもらった。

道後温泉

道後温泉

泊まるところがないと言うと

 

「松山市内は冬に寝るのは厳しいよ」

「山にある石毛寺で寝ている人がいる」

「ダンボールはどこどこにあるよ」

 

お腹すいたまま、鞄に必需品で持っていた老子の本を読むと、ココロに響くんだよね。書き写して、文法もわからないけど、俺なりの解釈をしていた。

(いやいや、必需品は食料とか寝袋とかテントじゃないの?内心思うがつっこまない母) 

文法なんてわからないけど、老子の言葉を書き写して、こんな意味かなと考えてた。お腹すいてると言葉って響くね…

「文法なんてわからないけど、老子の言葉を書き写して、こんな意味かなと考えてた。お腹すいてると言葉って響くね…」と息子は話していました。

でさ夜がね…大変。寒いし、濡れた体にお寺の外のベンチはしんどかった。

けど、まあ、どうにかしのげれば朝の5時にはまた足湯へ。

で、暖まると、毎日、大好きな松山城に行く。

松山城

松山城

戸無門・筒井門・隠れ門って門があるんだ。 

これらの門は敵を誘い込むためのもので、

この大好きなところで足を止める人がいるんだよね。

 

俺の好きな、この場所で足を止めてくれる人がいるのがなんだか嬉しく、

「この門はですね…」と話しかけ説明していた。

 

そりゃ、はじめ相手も怪訝そうだけど、一生懸命ここのよさを伝えようとすると

「詳しいガイドをありがとう」と思いがけずチップをもらったんだ。

「おお〜〜なんだ!?こりゃ、イケるのか…?!」とどんどん話しかけていった。

 

ふと周りを見回すと、外国人意外と多い、

「あ〜!!こりゃ、イケるのか?!外国人にはチップの風習があるぞ!?」

と気がついてさ、どんどん下手な英語で話しかけていたんだ。

 

もらったチップは100円とか時に500円。そんなにはたまらない。食パンとバナナを食べて、なんとかしのいできたが、 

残りが、いよいよ38円となり、そろそろ福岡に帰りたいなと最後の砦で、私に電話をしたそうです。

お金がなくなると、水とバナナで、どうにか食パンでつなぎます。

お金がなくなると、水とバナナで、どうにか食パンでつなぎます。

そもそも息子はガンガン人にいくようなタイプではなかったはず、ましてや英語は…?と疑問に思い、私は聞いてみました。 

「へ〜〜外国の人に話しかけていたんだ。英語そんなに話せないんじゃ?」と私が聞くと

 

お母さんのことを思い出したよ

あの(下手な)英語で無茶なことにプレゼンしたとき、

言葉(もちろん英語)は出ないけど、手とかでジェスチャーいっぱいしていたやん

 

あれ見てて、俺、思ったもん

伝えたいことがいっぱい、だけど伝わらない感がいっぱいやった。

 

その母の(必死な)姿をただ見守っていた子どもの立場の俺としては、変な汗が出て、気持ち的には見てられなかったけど

審査員の外国の人には、あれはあれで気持ちが伝わっていたと思うんよね。

それが、審査員特別賞をつくってもらたんでしょ…。

たどたどしい英語のプレゼン…

たどたどしい英語のプレゼン…

私はその言葉を聞いて、親の背中で、あの私の悲惨な状況でも、息子に何か伝わったものはあったんだなと思いました。

 

私は、昨年、無謀にもMITのビジネススクール卒業生がつくるビジネスプランコンペでファイナリストの5社に残りました。本当は日本語で普通に発表する初心者部門に応募していたら、英語でプレゼン、質疑応答という上級者部門に格上げしてもらうという予想外の出来事がおこったのでした。

 

もう〜〜必死の挑戦でした。

他の4社は大手で、しかもチームでの参加。外国人がパートナーで入ってある中で、中学1年レベルの英語で、単身東京に乗り込んだのは、私だけ。

さすがに、気持ちは凹むものの、ここまでレベルが違うならと、他のファイナリストたちの胸をかりるつもりで、と開き直って本番迎えたのでした。

 

完全なアウェーの会場へ、応援にきてくれた息子の姿を会場の後方に見つけた時には、授業参観に来てくれたお母さんを見つけたこどもの頃の気持ちを思い出しました。

 

田舎育ちの私には、場違いな空気だった。

「こんな英語でこんな場所に出てくるなよ」場内からのそんな声も息子には聞こえていたらしく。

私が無事?プレゼンを終えたとき、見守っていてくれた息子からウルトラナイスファイトの画像がメールで送られてきたときには涙が出ました。

そして「母は、ご飯も食べてないだろう」と、都会のど真ん中で、どこから見つけてきたのか、あったかい回転まんじゅう(関東では今川焼と言うそうです)を買ってきてくれ、またうるっと。

プレゼンで冷や汗をいっぱいかいたあと、温もりあるこの回転まんじゅうを手渡された瞬間、私は気持ちがあったかくなりました。「ありがとう」

プレゼンで冷や汗をいっぱいかいたあと、温もりあるこの回転まんじゅうを手渡された瞬間、私は気持ちがあったかくなりました。「ありがとう」

その時の情景が脳裏に浮かびました。

挑戦してよかった。その姿を見せる事ができてよかったと思っています。

コラムvol.36「中1英語でマサチューセッツ工科大学に挑戦?Vol.2 審査員特別賞を受賞!」参照

 

私は親ばかです。親としても親ばかですが、

生き方も、スマートではありません。

実は、山ほど頭をぶつけています。

でも、来た球は打つ。

球が来ないなら、自分から球が飛んでいるところに頭をぶつけにいく。

調子のいいところだけでなく頭をぶつける様子を

子どもに実際に見せる事も、大事だなとつくづく思いました。

 

さて、このアホな大学生は、また大阪にそして東北に行くそうです。

「また大阪まで自転車で、帰るけん!」息子が笑顔で消えていきました。

「また大阪まで自転車で、帰るけん!」息子が笑顔で消えていきました。

出会った早稲田の学生支援グループと去年と同様に合流し、春休みは東北で活動するそうです。

この東北で出会った学生リーダー、そして偶然出会った漁師さんに、もらった言葉が、胸に響いているそうです。私は聞いていて、「哲学だね」と思わず、言いました。

 

またこのお話は次の機会に書きたいと思います。

「輪行っていいね・・・自転車をもって旅行する。青春18切符で電車に、フェリーは学割。いろんな人に出会う」

「輪行っていいね・・・自転車をもって旅行する。青春18切符で電車に、フェリーは学割。いろんな人に出会う」

今回もコラムを楽しく書きました。なんと今回で1年が経ちました。

毎週書こうとするといろんなことがあるもので、体調壊し熱がある時も、ハプニングもあったり、また海外で書く事もありました。

ここまで続ける事ができたのは、本当に皆様のお陰です、ありがとうございます。

 

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※情報は2015.3.10時点のものです

なまはげみき 太刀山美樹

福岡県筑後市出身。23歳で結婚出産。地域のママサークルが口コミで広がり、その後「きみ、おもろいね」とNHK福岡や、学校講師に、街角でスカウトされ経験を積む。2006年MIKIファニットを起業。

「どうせ無理と諦めてる子いねえ~が!」

と喝をいれる<幼児教育界のなまはげ>としても活動中。

好きな言葉「来た球は打つ」

MIKIファニット  http://www.mikifunnit.com

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