【高山美佳】街の印象決めるのは出会う人々 おもてなし誰もが主役

福岡県の南部、美しい水郷のまちとして知られる柳川市。5年前、地域の若者たちをお預かりして千の物語を掘り起こすというプロジェクトをきっかけに、拠点を構えることになりました。

 

名前は「柳川物語研究所」。まちのみなさんは「やもけん」と呼びます。

 

どんこ舟でゆつら~っといく名物川下り。その終着点の沖端にあるやもけんの2階にいると、船頭さんのユーモアたっぷりのごあいさつとお客さんたちの笑い声、湧き起こる拍手が聞こえてきます。

 

先日、そのおもてなしについて調べる機会があり、一つのフレーズが浮かび上がりました。「初めて訪れた柳川の印象は、船頭さんで決まる」。多くの人が柳川に着くとまず川下り。船頭さんと70分間過ごすのですから、なるほどです。

 

わがまち、久留米市田主丸町でいえば、70軒もある観光ぶどう園が、その立役者。巨峰の季節、園のみなさんが年に1度訪れるお客さまを覚えていて、「今年も元気しとったね~」と喜び合う姿は風物詩。2代、3代にわたって訪れる家族もいて、印象はDNAのように代々受け継がれるんだなあと感じます。

 

ほんとに自然な「いつもんこと」というすてきな「おもてなし」。船頭さんだけでなく、駅前で乗ったタクシー、あいさつしてくれた子どもたち。人に出会い、心動くと、そのまちは記憶の中に生き続け、「いつか、また」となるのでしょう。まちの誰もが立役者なのです。

 

春風に乗って、今日もあったかい拍手がきこえる、やもけんの昼下がりです。

from西日本新聞「わたし活性化計画」面

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※情報は2015.3.14時点のものです

高山 美佳

長崎市出身。2001年、福岡県久留米市田主丸町に結婚を機に移り住み、独学の写真とデザインで地域の力を伝え始め、今に至る。九州一円の風景や人、物語にあふれた表現、地域ブランディングの原点は日々の田舎暮らしという2児のママ。

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