どこへ向かうの?「日本のワイン」実力と展望は-?

この何ヶ月かでたまたま続けてカリフォルニアワインと日本のワインに関する大小さまざまな勉強会へ参加させていただき、今回は日本のワインについて感じたことを書きたいと思います。 

日本のワインを召し上がったことはありますか?

それは甘いワインでしたか?

辛口のワインでしょうか??

日本でも明治時代初期から山梨県を中心に辛口ワインが作られており、今では研究や技術革新がとても進んで、世界的に認められるようなワインも造られるようになりました。

特に日本固有の葡萄品種、甲州のオリジナリティはすばらしいと思います。

日本各地で日本ワインのイベントも増えましたし、福岡市内でも日本ワイン専門のワインバーがオープンするなどして、その人気は高まる一方です。

 

国産ワインと、日本ワイン??

昔は国産ワイン…というと軽くて少し甘い赤ワインが多かった印象ですが、今は白ワインの種類も増え、山梨だけでなく、北海道や新潟、山形。九州でも熊本ワイナリーや都農ワイナリー、安心院ワイナリーなど…国内各地の気骨ある辛口ワインも続々登場。

販売する店舗も増えました。

そんな中、東京の某大手百貨店のワインコーナーでは日本全国の有名ワイナリーのワインが並んでいる棚に「国産」の文字はありません。

表示は「日本ワイン」や「日本」と国名が書いてあります。

サントリーや北海道ワイナリーなども国産葡萄100%でつくったワインには「国産」ではなく「日本ワイン」や「純日本ワイン」とラベルに表示しているそう。

一方で、ご近所のスーパーや、ワイナリーツアーに行った際にドライブインに並ぶ安い価格帯の「国産ワイン」…。

これらの中身は実は違うものです。

日本はヨーロッパと違ってワイン法にまだあいまいな部分があり、チリやアルゼンチンなどから安い葡萄果汁を輸入してきて、国内で醸造しても「国産」と名乗ることが出来るんです。なので、完全に国産原料100%でワインを作った場合は、もちろん「国産ワイン」を名乗っても良いものの、国産原料であることをよりアピールするためにわざわざ「日本ワイン!!」と名乗らないといけないという…

う~む。ややこしいですね…。

 

コレに対してはもちろん、数々のワイナリー協会が国産表示問題に取り組んでいて、

ニュースからの抜粋によると

「道産ワイン懇談会、山形県ワイン酒造組合、山梨県ワイン酒造組合、長野県ワイン協会、日本ワイナリー協会の5団体が設立した『ワイン表示問題検討協議会』は1986年、自主基準の『国産ワインの表示に関する基準』を策定し『国産』表示の適正化に着手。国産ワインに対する消費者の支持や関心の高まりを受け2006年には、『国産』表示する際に輸入原料使用を明示するよう基準改正するなど、消費者の立場に立った取り組みを進めている」そうです。

 

でも、私は「表記」をしっかり明確にする必要はあっても、海外から輸入した葡萄果汁で安いワインを作ること…そのものはなくならない、あるいはなくせないのではないかな?と思うのです。

…というのも、

 

高齢化する日本の農業

以前ポルトガルワイン事情で書いたとおり、ポルトガルでは親の家業をつぐことが人生最良の幸せという概念があるため、農家に生まれたら農家を継ぐのは普通のことです。

対して日本の農家の現状は言わずもがな。

葡萄農家もしかり、後継者がいないという現実問題がありますし、国産原料にこだわれば人件費や経費の問題で、価格は高く、そして少数生産になってしまいます。

それでは外国からの輸入品との価格競争に負けてしまいますよね。

それに日本の多くの消費者にとってワインはまだまだ甘いものだというイメージがあるのではないでしょうか?

以前訪問させていただいた某ワイナリーでも、普段はワインを飲まない観光客向けの甘くて軽いワインを売ったお金で、フラッグシップを造る…

背に腹はかえられない悩みというのはあると思います。

そういった大量のワインを作るにあたって、国産葡萄しか使えないとなると量的にも、原価的にも間に合わないのではないでしょうか…?

それなら、そんな安くて薄甘いワインなんか造らずに、日本はこだわりの高級国産ワインに特化すればいいじゃないか!

と、思いますか?

手に入らなくなったブランドワイン

この春、お客様とワイナリーツアーに行くことになった私はほぼ8年ぶりに山梨へ行くことになりまして。

もちろん目指すはこだわりの純日本産ワインをつくるワイナリー。

8年前の記憶を頼りに「あそこが美味しかったなぁ。あそこのもまた絶対に飲みたい」と

国産ワインを専門に扱うバーのオーナーとお話したところ…

「そんなプレミアワインは今、手に入らないよ。大抵抽選か、ネットでプレミアム価格がついてるよ…」

「そんなことも知らずにアンタソムリエやってるの!?」と優しくも冷たい目で見られたワタクシ、時差ありすぎる衝撃をいまさら受けたのです。

 

珍しいものは即完売。

 

一部の日本ワインは今、少し前のプレミアム焼酎みたいになっているんですね・・・。

とほほ

そんな流れを受けてか否か、日本では今ぞくぞくと新しいワイナリーが増え、見たことも聞いたこともないワインがいきなりぽんっと結構高額な価格で取引されています。

味は…?手に入らないので、どうとも言えません。

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