【曽我由香里】博多山笠と角打ち 人々の交わりが街に活気生む

この時期、博多のまちはソワソワしてくる。「博多祇園山笠」の準備でにわかに活気を帯びてくるのだ。博多祇園山笠は770年以上続く伝統の祭。比較的原型に近い形で受け継がれているとあって、地域全体で行事の成り行きを見届けているような、どこか神聖な空気が博多一帯を包む。個人的には、あの締め込みとハッピ姿に毎年くぎ付けで、普段からは想像もつかない驚くほど生き生きと益荒男ぶりを発揮する男衆の入れ込みように、山笠へ畏怖の念を感じている。詳しい歴史は西日本新聞社発行の「博多祇園山笠大全」にこれでもかと集約されているので、そちらをぜひご覧ください。

 

世代を超えた伝統のお祭り。「山笠があるけん、博多に帰ってくるとたい」とりりしく語ってくれた山のぼせの言葉が耳に残る。そんなことを思い出しながら先日、ふと山笠に重なる文化があることに気づいた。「角打ち」文化だ。

 

共通するのは「まちに活気をもたらす」点。酒屋の店先で酒を酌み交わしている間は、老若男女も職業も関係なく、酒を通じた軽快な交わりが繰り広げられる。ね、山笠っぽいでしょ?というと「なんばいいよっとか!」と、バチがあたりそうだけど、古くは山笠を通じて都市と農村の、階級を超えた交わりがまちに活気をもたらしたことが、規模は違えど、角打ちにも当てはまるようにも思えてならない。外からのぞくと、にぎやかな声が漏れ聞こえ、私も交わりたいなとソワソワしてしまう。交わってしまえばこっちのもので、酒をのむという同じ志を持つ者同士、肩を並べて酒と会話に浸るのだ。角打ちみたいな場所がもっと増えれば、まちは元気になっていくにちがいない。

from西日本新聞「わたし活性化計画」面

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※情報は2015.6.6時点のものです

曽我 由香里

出版社、デザインスクール勤務を経て、2011年より、ダイスプロジェクト所属。広告ディレクター、編集担当のほか、九州のワクワクを掘り起こす「アナバナ」編集長として九州を奔走中。

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