【西田明紀】気になる若者の人生観 他人と比較せず自分と向き合って

最近、学生や20代の方と話す機会が多いのですが、よく「他人に負けたくない」「目標をしっかり定め、ぶれないようにしたい」「置いて行かれないように、もっとスピードを上げたい」「やりたいことが見つからなくて焦る」などの声を聞きます。

志や成長意欲が高く素晴らしいとも思うのですが、とても苦しそうな表情をしていることが気になります。よく聞くと、明るい前向きな視点ではなく、「ぶれてはいけいない」「見つけなくてはいけない」という、強迫観念のようなものから来ている言葉だからだと思います。

先日は「本当は営業とかやってみたいけど、結婚、出産しても長く働くために、ある程度年をとってからもできるような仕事を希望します。最初からそういう仕事に就かないと難しいと聞くので」と20代の女性が悲しそうな顔で言いました。

一見、刹那的に今を楽しんでいるようにも見える若い世代ですが、この極端な価値観を行き来しているのだと思います。そこにはゼロか100しかなく、まさにグレーも余白もない選択肢。

社会環境の変化に、社会のあらゆるシステムが、そして大人たちの心が追い付かず、その偏った情報やビジネス環境、若者のあるべき論などのゆがみが静かに若い人を苦しめているような気がしています。

ルールも正解も無いたった一度の自分の人生だからこそ、他人と比較せず、時代に必要以上に流されず、自分自身としっかり向き合って楽しんでほしい。そのために大人は何ができるか、どんな姿を見せているのか。それが私たちに今、問われていることではないのでしょうか。

 

from西日本新聞「わたし活性化計画」面

【西田さんのコラム】

知らない世界は意外と広い 違いを尊重し合い 出会いを楽しみたい

「間違い」と「違い」混同しがち 「違い」を面白がると世界が広がるのでは

「余白」つくってますか 境界にとらわれず柔軟な考え方を

 

※情報は2015.7.18時点のものです

西田 明紀

外資系や人材業界を経て、地場企業でダイバーシティーを推進。ビジネススクール福岡校を立上げ後フリーに。福岡地域戦略推進協議会フェローや、久留米信愛女学院短期大学専任講師、WorkStyleCafe主催。キャリアカウンセラー。

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