
【西田明紀】手紙書いてますか デジタルでは得られない うれしさと心地よさ
最近いつ、手紙を書きましたか? 年賀状や暑中見舞いだけの方も多いのではないでしょうか。私もその一人です。
私は子どものころ転校が多く、お小遣いの大半を切手代に費やし、友達と手紙のやりとりをしていました。大学時代は、各国に旅行に出掛けた友人たちからの絵はがきがとても楽しみでした。私も旅したときは毎回枚ほど買い込み、一枚一枚写真や絵柄と送る友人を思い浮かべては送っていたものです。息をのむようなきれいな自然の姿や、読めない文字とその余白、異国の匂い、ざらついた手触りなど、絵はがきはいろんなものを私に運んでくれました。
そんな私の学生時代は、ICT(情報通信技術)やSNS(インターネットの交流サイト)が登場した時代でもあります。友達とのやりとりはメールやチャットから、ミクシィ、ブログ、ツイッター、フェイスブック、LINE(ライン)、インスタグラムなど、言葉や写真、動画を瞬時に共有するコミュニケーションへと変化していきました。あらゆる場面で、合理的な手段としてデジタルツールが使われるようになりました。
そのような今でも、何人かと手紙のやりとりを続けています。あの突然、郵便受けに季節感のある手紙が入っていたときの驚きとうれしさ。あえて数日かかる非合理的な手段で運ばれてきたそれには、時間と場所をゆったりと超えて語り掛けてくる心地よさがあります。今まで頂いた手紙は全て大切に取っています。
ますますデジタルネーティブ世代が増えていきますが、私たちはデジタルツールに加え、手紙というスタイルも持っていることを忘れずにいたいと思います。
from西日本新聞「わたし活性化計画」面
【西田さんのコラム】
・知らない世界は意外と広い 違いを尊重し合い 出会いを楽しみたい
・「間違い」と「違い」混同しがち 「違い」を面白がると世界が広がるのでは
・キャリアは「ボルダリング」ゴールもルートも一人一人違っていい
※情報は2015.9.12時点のものです

西田 明紀
外資系や人材業界を経て、地場企業でダイバーシティーを推進。ビジネススクール福岡校を立上げ後フリーに。福岡地域戦略推進協議会フェローや、久留米信愛女学院短期大学専任講師、WorkStyleCafe主催。キャリアカウンセラー。
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