【アーヤ藍】「路上生活後、独に到着」シリア難民の中に親友が

「3週間路上で過ごして、ようやくドイツに到着したわ」

 

2ヶ月ぶりの友人からのメッセージに鳥肌が立った。彼女は中東・シリアの出身。日本でも欧州各国へシリア人難民が押し寄せているとニュースで報じられていたが、その中に彼女もいたとは予想だにしていなかった。

 

2011年3月、アラビア語の研修でシリアに1ヶ月滞在した。今や紛争のイメージが強いと思われるが、私が訪れた当時のシリアは、歴史の詰まった美しい街並みと、人懐こく温かい人たちで溢れていた。

アレッポの中心にあるモスク

アレッポの中心にあるモスク

再訪を胸に誓って帰国したが、滞在中から起き始めた民主化を求めるデモが拡大し、あっという間に内戦状態になった。共に学び、共に時間と思い出を共有した友人たちのSNS(インターネットの交流サイト)は、怒りと悲しみと嘆きでいっぱいになった。

 

「この恐怖が続くくらいなら、死んだほうがまし」。冒頭のシリアの親友が、こんな一言をSNSでつぶやいたときのショックは表現しがたい。同じ時代に生きている同世代の友人が、なぜこんなにも自分と違う境遇にいなければならないのか。理解も納得もできず、ただただ涙した。

 

私の想像も及ばないような辛い環境下でも「あなたの笑顔の写真をネット上で見られれば幸せ」と優しい言葉を発し、逆にシリアに想いを寄せ続ける私に感謝し、誰かを非難したり責めたりすることもない。変わることのない彼女の強靭さには敬服するばかりだ。

 

何万人と数字で語られる死者や難民の一人一人が誰かの友人であり、家族であり、一人一人に過去と未来がある。そこには国境も民族も宗教も、垣根はないように思う。

アレッポ大学の寮の部屋から、旅立ちの朝に見た日の出

アレッポ大学の寮の部屋から、旅立ちの朝に見た日の出

※情報は2015.10.3時点のものです

アーヤ藍

ユナイテッドピープル(福岡市)取締役。社会問題をテーマとした映画の配給を行う。特に戦争や紛争、差別偏見、虐待など「ヒトがヒトを傷つける」問題に関心が強く、仕事、プライベート問わず発信している。1990年生まれ。

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