映画「小早川家の秋」小津安二郎作品(1961年)

秋というのに日中は30度の暑さ、朝夕との気温差で体調を壊しそうな日々ですが、お元気ですか?

前回に続き、小津作品をご紹介します。

【ストーリー】

造り酒屋の当主の小早川万兵衛(二代目中村雁治郎)は60過ぎになり、店を娘夫婦(小林桂樹・新珠三千代)に任せている。

造り酒屋イメージ

造り酒屋イメージ

亡くなった長男の嫁(原節子)と末娘の紀子(司葉子)にそれぞれお見合いや縁談の話があるが、二人ともふんぎりがつかずにいる。

ある日、若い頃から女道楽ばかりしてきた万兵衛が最近頻繁に外出するのに番頭が不審を抱き、後をつけると、万兵衛は昔の愛人佐々木つね(浪花千栄子)とその娘(団令子)のいる京都に通っていた。

万兵衛の提案で、親族一同が集まり、亡き妻の法事を京都の嵐山で済ませたあと、万兵衛が心筋梗塞で倒れた。

 

 

小津監督は松竹の専属ですが、この作品は唯一東宝でメガホンをとった作品なんです。

今ではどの映画会社の製作かなど、若い人はあまり関心がないでしょうが、松竹、東宝、東映、大映、日活という5社の映画には其々特徴がありました。

家族ものの松竹、社長・若大将シリーズの東宝、大人の色っぽいものの大映、数々のやくざシリーズの東映、青春ものの日活というのが私個人の印象です。

 

松竹の小津監督が、常連の原節子、笠智衆、杉村春子に加え、小林桂樹、新珠三千代、加藤大介、宝田明、森繁久弥という当時の東宝のスターたちをうまく起用している豪華絢爛な秀作です。

そして何より存在感があるのは、小早川万兵衛役の二代目中村雁治郎です。

 

まるで猫が人間模様を観察するような低いアングルと、和の住まいの佇まいが、限りなく美しいのに感動します。

小津作品には劇的な出来事が起きたりしないけど、日常の些細な営みの積み重ねこそがドラマチックだなと思わずにはいられないし、何気ない会話によっていろんなことを考えさせられるのです。

 

 

では、次回はヨーロッパ映画をご紹介します。

 

See you next!

※情報は2015.9.30時点のものです

銀幕ヨーコ

趣味は映画、美術、音楽鑑賞、旅行、読書、さらには空手。

映画は邦画、洋画、ジャンルを問わずなんでんかんでん観ていた時代を経て(オカルト系は苦手)、やっぱりヨーロッパ映画が一番好き。でも韓国映画もいい、中国、台湾、いやインド、イラン映画も捨てがたいな。そうやって私の好きな作品を選別していくと、実は世界の名監督たちが日本の小津安二郎監督作品に強く影響されているという共通点があったんです。これから小津作品に影響力受けた各国の名画を中心においおいご紹介したいと思います。

よろしく

関連タグ

この記事もおすすめ