学びの秋 記憶とアロマの関係について vol.41

こんにちは。看護師・アロマセラピスト 緑です。 
最近、朝の電車内で、学生さんたちがいつもより教科書や参考書を広げています。
立ったまま(笑)
読書の秋・・・いや、きっと試験前なんでしょうね。

 

時々、問題を出し合ってるのが聞こえてきます。
…?それ答えわからん。。
待って、降りないで。答え教えてー!

 

さておき。
読書の秋。学びの秋。


 今回は、香りと記憶についてお話をしたいと思います。
 
 
人混みの中で、ある香水を感じた時、特定の人物を思い出す。 
金木犀の香りに、懐かしい風景が思い浮かぶ。
こんなことってありませんか?
いや、きっとあるはず!

金木犀

金木犀

このように、特定の匂いが、それにまつわる記憶を呼び覚ます現象を、プルースト効果 と言います。
フランスの文豪、マルセル・プルーストの小説『失われた時を求めて』の中で、主人公が、紅茶に浸したマドレーヌの匂いをきっかけに、幼少時代を思い出す描写から名付けられています。

 

ちなみに私、この小説を未だ読んでいないのです。
だって読む気も失せる長さなんです。。
 1913年ー1927年という年月をかけ刊行された超長編作。
ファンファン福岡の編集長・一木さんは読破したらしいです。
さすが。

 

香りと記憶が関係している。
ということはなんとなく世の中に浸透していますね。 
「匂いがヒトの記憶や情動に、他の感覚よりも大きな影響を与えている」ことは確かだと言われています。

 

人の視覚や聴覚、嗅覚などから思い出される記憶は、それぞれ脳の別の部分に収納されています。
通常、視覚や聴覚などの感覚器から得た情報は、まず大脳の 新皮質 という場所に送られます。
唯一、嗅覚だけが大脳新皮質を経由せず、大脳辺縁系 という場所に到達します。


 
少し専門的な話になりますが、、
 
〈嗅覚の伝達経路〉


香りは
鼻→嗅上皮→嗅細胞(嗅毛)→嗅球→大脳辺縁系→嗅覚野
の順で脳へ到達します。
 

大脳新皮質
思考や計算など知的活動を司る。 

大脳辺縁系
(旧脳、嗅脳などとも呼ばれる)
食欲や性欲といった本能行動、喜怒哀楽などの感情、記憶を司る。

海馬
記憶を司る。
直近から過去二年ぐらいまでの短期記憶を蓄積する。 

扁桃体
情動を司る。快・不快を判断。
(この扁桃体が、香りの好き嫌いを判断しているようです。)
  
 
プルースト効果は、嗅細胞から伝わった信号が、大脳辺縁系、海馬を活性化することで起こるとされています。
ある実験では、被験者の思い出深い、特定の匂いを吸引した際に、特に扁桃体・海馬に大きな反応が現われたそうです。
つまり、香りは本能的な行動や感情に直接作用するということです。

本能行動として、赤ちゃんは、まだよく目が見えないうちから、お母さんのおっぱいの匂いを嗅ぎ分けます。
食べ物が、まだ大丈夫かな?と思ったら匂いを嗅ぎますよね?
きっと、街中で異臭がしたら、吸い込まないようにと真っ先に鼻を押さえますよね?? 
感覚器の中で嗅覚は、一番最初に発達し、最後まで維持されやすいと言われています。  
嗅覚、大事(笑)
 
以前あるテレビ番組で、香りで記憶力が変化するかという実験を行ったそうです。 
 
1.偏差値が同程度の小学生15人に香り付きの消しゴムを嗅ぎながら漢字を覚えてもらう。
2.まだ習っていない漢字10問を用意。暗記時間は30分。
3.その後2時間別の授業をした後、先ほどの漢字の記憶をテスト。

この結果、香り付きの消しゴムを嗅がない状態でのテストでの正解率は75%。
香り付きの消しゴムを嗅ぎながらテストすると正解率は83%。
香りを用いることで、記憶力が約10%アップしたという結果が表れたそうです。

 
これで合否の差がでるかもならば、試すでしょー!

睡眠学習中でも効果期待できるかも?!

睡眠学習中でも効果期待できるかも?!

受験や資格の勉強など、何かを記憶する必要がある時。 
好きな香りを用意し、嗅ぎながら勉強してみませんか。
記憶力アップに効果があると言われるローズマリー、集中力アップのレモンもおすすめです。 
試験本番にその香りをハンカチなどに染みこませておけば、香りが記憶を呼び起こしてくれる、かも!?

私たちが普段何気なく嗅いでいる香りですが、香りと人間の記憶・情動には密接な関係があるのです。 
皆さまがもっと気軽に香りを楽しんで、より充実した日々が送れますように。

 

アロマセラピーの普及活動?として、
先週末、柳川で地域の方向けのアロマ講座を行ってきました。 


小学生から80代の方にご参加いただき、アロマセラピーの基礎知識や、バスソルト作りを行いました。
せっかくなので?パチュリの香りを嗅いでもらい、香りの印象をたずねてみました。
※「懐かしい香り パチュリ~緑のアロマ部屋vol.40」参照

年配の方が、「箪笥の樟脳みたい」と表現されると、同世代の方々もうなづいておられました。
小学生の女の子たちは、首を傾げたり、顔を見合わせてくすくす笑っています。
「なんか酸っぱい…」そうです。
なるほど。
記憶の中であまり嗅いだことのない香りだったのでしょうね。


これから多くの未知なる香りと、体験が彼女たちを待っているのだろうと感じました。  
とりあえず、お勉強タイムに香りを使ってみてね(笑)

肌寒くなって参りました。
どうか体調を崩されませんように。

 

※情報は2015.10.17時点のものです

池田 緑

看護師・アロマセラピストとして活動中。
福岡市内 椎名マタニティクリニック 柳川市 清和会長田病院 を中心にメディカルアロマセラピーを行う。
岩田屋コミュニティカレッジ 「メディカルアロマセラピー講座」などで、自分自身も楽しみながらアロマの奥深さを伝えている。
池田さんのコラム連載はこちら⇒https://fanfunfukuoka.com/tag/salon_verte/

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