偶然の連続で山へ移住 自然の恵み 日々幸せ

ストーブの薪がはぜる音を聞き、家全体を包み込むぬくもりが感じられると、一日の疲れが飛んでゆき、幸せな時間が流れてくる。佐賀・三瀬に暮らして年。四季の移り変わりとそれに寄り添った暮らし。神奈川・湘南の海のそばで生まれ育った私にとって、山にかかる朝もやや小鳥のさえずり、ウサギ、キツネ、イノシシなどの生き物との出合いは新鮮そのものである。

 

大学卒業後、大手広告会社に勤め、車といえば外車、服といえばブランド物、旅行といえば海外と、高級志向にどっぷり漬かっていた。この世界に限界を感じたあるとき、尊敬する写真家、星野道夫さんの見る風景を無性に見たくなり、アラスカに行く決心をした。そんなとき夫と出会い、2人で一緒にアラスカに行こうと言われた。

 

星野さんは「人生とは、計画を立てている時に起こる別の偶然の出来事」という。この偶然に人生をかけてみることにした。そして今、計画以外の偶然の繰り返しでここに暮らしている。人口1300人ほどの佐賀市三瀬村に移り住み、養鶏を始め、根を下ろした。

秋晴れの下、山の緑や黄金色に染まる稲穂が美しい三瀬高原

秋晴れの下、山の緑や黄金色に染まる稲穂が美しい三瀬高原

住んでみて思うこと。山は宝の山である。その一つの山菜について。山菜は毒出しもできるし、おいしい。天ぷらにしていただく。お茶にする。子どもから聞いて感心したのは、その辺りにあるヨモギを、もみもみして擦り傷に止血のために使うこと。プールの日には必ず持って行くこと。村の子どもたちは、ゴーグルの曇り止めに使うらしい。

 

うーん。都会育ちの私には知り得なかった知恵が、子どもたちの中に自然と組み込まれていた。都会では知ることが難しい小さな日常の出来事は、とても貴重なことなのだ。

 

※情報は2015.10.24時点のものです

小野寺亜希

神奈川県の海岸沿い、湘南で育つ。結婚を機に大手広告会社を退職し、福岡へ。九州の豊かな自然暮らしに魅了され「地に足がついた暮らし」を求めて佐賀市三瀬村に移住。養鶏「旅をする木」を夫婦で営む。娘2人。

小野寺亜希

神奈川県の海岸沿い、湘南で育つ。結婚を機に大手広告会社を退職し、福岡へ。九州の豊かな自然暮らしに魅了され「地に足がついた暮らし」を求めて佐賀市三瀬村に移住。養鶏「旅をする木」を夫婦で営む。娘2人。

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