【西島亜木子】女子考古部で古代食作り 大変さで一層おいしく

今年7月に「きゅーはく女子考古部」が発足した。この部活は部員が自分たちで活動内容を決めるというのが大きな特徴だ。博物館側は専門知識を提供するなどして活動をサポートする。一般公募で集まった小学校1年生から50代の女性30名が月に一度活動する。

 

11月の活動は、古代料理体験だった。場所は福岡県朝倉市にある平塚川添遺跡。竪穴住居や高床式倉庫などが復元してあり、古代ムード満点。メニューは、どんぐりクッキー、古代から日本にある野菜を使ったスープ、そして、古代米といわれる赤米、黒米を白米に混ぜて炊いたご飯だった。どんぐりは事前に部員たちが拾った。スープ用の鍋は再現した土器、ご飯を炊く容器はその日調達してきた竹。もちろん火おこしから自分たちでやる。

 

貫頭衣(古代の服)を着て、火おこし班、下準備班などに分かれていざ料理開始。火がおこらないことにはお昼ご飯にありつけないので、必死で頑張る。1時間後、ようやく火が付いた。米が入った竹筒を火の中に入れる。スープは大量のあくを取りながら、塩で味を調える。クッキーは、どんぐりに加え、山芋やひき肉も入れたお焼き風。慣れない道具や材料に奮闘しつつも、およそ3時間後、完成!竹をぱっかり割って出てきたピンク色のご飯は、少しもちもちしていて、美味。スープは素材の味が引き立ってやさしい味。どんぐりクッキーも香ばしくておいしかった。

スーパーもガスコンロもない古代の料理は共同作業でないとなかなか大変だ。だからこそ、その大変さがスパイスとなって素朴な味でもおいしいのだということが、よくわかった。と同時に、今は便利さと引き換えに人と人とのつながりが希薄になったのだと思った。

 

※情報は2015.12.12時点のものです

西島亜木子

九州国立博物館(福岡県太宰府市)企画課アソシエイトフェロー。銀行勤務を経て、米国に留学、陶芸を学ぶ。2013年より現職。展覧会での分かりやすい解説パネルや体験コーナー、イベントなど企画を担当。趣味は長距離ウオーク。

関連タグ

この記事もおすすめ