年末年始はシャンパーニュ!有名ラインナップの個性

いよいよクリスマスも間近となりました。

クリスマスを終えると次はお正月。

家族やお友達とパーティを予定なさっている方も多いのではないでしょうか?

パーティのお酒といえば…そう、シャンパーニュですね!!

普段は手ごろなCAVAやスパークリングワインを飲むけど、折角だからシャンパーニュを買って手土産にしようと、百貨店やワイン専門店へ出かけ…数多い品ぞろえに迷ってしまい、結局いつものモエ・エ・シャンドンを買った…ということはありませんか?

 

今日はシャンパーニュのおさらいと、どこのデパートにもある有名なラインナップの、その個性を簡単にご紹介します。

 

シャンパーニュとは?

シャンパーニュはフランスの北東部、代々フランス王が戴冠式を行ったランスの大聖堂のあるランスや、エペルネなどの町を中心としたシャンパーニュ地方でつくられる発泡性のワインのこと。

原料ブドウの栽培や収穫、醸造方法には細かく規定が設けられ、それらを守って作られた発泡性ワインのみがシャンパーニュと名乗ることができます。

 

シャンパーニュを作るために認められているブドウは7種ありますが、99%は以下の3種類のブドウから作られます。

ピノ・ノワール

栽培面積:39%           

チェリーなど赤いフルーツの香りを持ち、繊細な口当たりと華やかで複雑な香り。

ブルゴーニュ地方ではロマネコンティなど高級赤ワインの原料となります。

 

ピノ・ムニエ

栽培面積:33%

シャルドネやピノノワールよりも厳しい気象条件でも栽培できる頑強な品種。

しなやかで果実味が豊かなワインが出来上がる。

熟成が早く、口当たりがまりやかなワインとなることが特徴です。

 

シャルドネ

高級白ワイン用ブドウ品種として今や世界中で栽培されています。

花や柑橘系の繊細なアロマ。

豊かなミネラルと酸味。

長期熟成するワインを作り出します。

 

…シャンパーニュといえば、白ワインの色合いなのに、こうやって見ると赤ワイン用のブドウ品種が多いことがわかりますね。

 

なぜ、赤ワイン用ブドウ品種から透明なシャンパーニュができあがるのでしょうか?

シャンパーニュの色の表示について見てみましょう。


Blanc de Blancs ブラン・ド・ブラン(直訳:白の白)

シャルドネなどの白ワイン用ブドウからのみ作られたシャンパーニュ。

細身で繊細な風味が特徴。

 

Blanc de Noirs ブラン・ド・ノワール(直訳:黒の白)

赤ワイン用のブドウから作られた白のシャンパーニュ。

重厚な風味が特徴。

 

Rosé

白ワインと赤ワインをブレンドして二次発酵させたもの。

出荷前に赤ワインを加えたもの。

セニエといい、途中まで赤ワインの醸造方法でつくり、色合いが程よく出たら皮や種と果汁を切り離して二次発酵をおこなうものなど、いろいろな作り方があります。


ご覧のとおりブラン・ド・ノワールは赤ワイン用ブドウからつくられます。

果汁を絞った際、そもそもワインの色素は常温では果汁へあまり溶け出しません。

発酵途中エチルアルコールが発生してから徐々にアルコールに対して溶け出すものだそうで、赤ワインは色素を含む皮や種を一緒に醸して赤い色あいを作り出します。

発酵の途中。まだまだアルコール度数が低いうちに種や皮から果汁を切り離してしまえば白ワインと同じ色合いになるという仕組み。

それでもピノノワールの果肉はほんのり赤い色合いをしていますので、ぎゅっと絞ればピンクの果汁になってしまいます。

色がつかないようにそっと果汁を絞るのもシャンパーニュの特徴です。

 

また、ラベルを見ると普通のワインは何年物というヴィンテージが入っているのに、シャンパーニュはあったりなかったりします。

品質による分類をみてみましょう。


Standard(スタンダード) Non Vintage=NV

ラベルにヴィンテージが入りません

複数のヴィンテージの白ワインを混ぜてつくります。

毎年同じ品質を保つための工夫です。

最低15か月カーヴで熟成させて出荷されます。

 

Millésimé(ミレジメ)

ラベルにはヴィンテージが入っています

ブドウの作柄が良かった年に作られる、その年だけの、単一収穫年のブドウのみを使ってつくられます。

最低3年カーヴで寝かせてからでないと出荷できません。

 

Cuvée Prestige(キュヴェ プレステージ)

こちらも多くが、ラベルにヴィンテージを入れています

各生産者のフラッグシップとなる最高峰の商品です。

最良の原料ブドウを使って少量生産され、ルイ・ロデレールなら「クリスタル」、ヴーヴ・クリコなら「ラ・グランダム」などそれぞれ名前も特別なものがついています。


さて、

シャンパーニュはスペインのCAVAや、イタリアのスプマンテに比べるとお値段が高い。そこにはフランスのブドウ栽培の北限での厳しい環境の中、シャンパーニュの名にふさわしい高品質のブドウ栽培が行われていることや、手間暇かけた醸造~熟成方法にあります。

シャンパーニュは必ず瓶内二次発酵という方法がとられます。

出来上がった普通のワインを瓶に詰め、そこへ糖分と酵母を加え、再び発酵を始めさせるやり方です。

そうすることで、うまみのもととなるアミノ酸や、複雑な香りのもととなるエステルを作り出すとともに繊細な泡立ち、複雑な香りや風味を長期間かけて生み出していきます。

買ってすぐ飲むとさわやかなのど越しを。

熟成させると複雑な味わいを楽しむことができるのです。

 

対してスーパーに並ぶ気楽なスパークリングワインは瓶の中ではなく大きなタンクで二次発酵させたり、炭酸ガスを後から付け加えて作られているものが多く、熟成に向きません。

爽やかなのど越しや果実味を楽しむための気軽な一杯を目指して作られています。

また、シャンパーニュに重要なのはその、ブランドイメージ。

シャンパーニュは昔からルイヴィトンや、パリコレなどのファッション業界とコラボしてきましたし、王族など社会的に重要な立場にある人達のステータスシンボルとなってきました。

飲み物としての味わいとともに、ラグジュアリーな時間を演出するアイコンであることもシャンパーニュの重要な存在価値なのです。

 

では、一緒に酒屋さんへ入ったつもりで有名どころのシャンパーニュを見てみましょう。

今日は、おそらくどこの百貨店にもあり、5000円~7000円で販売される有名シャンパーニュのスタンダード キュベ7種をラベルとともにご紹介いたします。


モエ・エ・シャンドン

Moët & Chandon

世界のどこかで2秒に1本開くというシャンパーニュ界の超大手。モエ社の2代目社長とナポレオン皇帝が友人で、アンペリアルとはナポレオンのこと。

柑橘系の清涼感とほどよいコクを持ちます。

 

ルイ・ロデレール

Louis Roederer

ロシア皇帝に愛されたシャンパーニュ。品質や、それにこだわる姿勢を評価され2013年のフランスのワイン雑誌でNo.1のシャンパーニュメーカーに選ばれています。フレッシュさと熟成されたまろみが共存したバランスを持っています。

 

ランソン

Lanson

乳酸発酵させず、シャープなリンゴ酸をのこして熟成されるこのシャンパーニュは瓶につめたあとも長く熟成していく骨のあるシャンパーニュです。

英国王室はじめ、世界中にこのランソンの豊かな酸味のファンは多い。

 

ポール・ロジェ

Pol Roger

イギリス大統領チャーチルが愛したシャンパーニュとして有名で、発酵に一切樽を使用しません。ブドウ本来の繊細な味わいを大切に作られるこのシャンパーニュは、2011年イギリスのウィリアム皇太子とケイトさんの結婚式に「ブリュット レゼルヴ」が供され人気をより高めました。

頑強で骨太。青りんごの風味にナッツのようなしっかりした風味が溶け込むボディあるシャンパーニュです。

 

ドゥラモット

Delamotte

ドンペリニヨンを遥かに超える高価格で取引される超人気シャンパーニュのサロン。そのサロンはブドウの出来が良かった年にしか作られません。サロンの生産が見送られた年にブドウのおさがりを使って作られたのがこのドゥラモット。

繊細で可憐なすっきりとした味わいです。

 

ヴーヴ・クリコ

Veuve Clicquot

目を引く黄色いラベルのシャンパーニュ。19世紀初頭、結婚から4年、3人の娘を抱えて夫に先立たれたクリコ夫人はわずか3歳の長女をかかえメゾンを継ぎました。「品質はただひとつ。最高級だけ」という信念は現在も受け継がれています。働く女性を後押しするための「ビジネス・ウーマン・オブ・ザ・イヤー」賞を1972年に設立。女性の味方です。

 

Pommery

19世紀甘口が主流だったシャンパーニュ業界において、最大の消費地イギリスでの辛口嗜好を見抜いたポメリー夫人がいち早く辛口のシャンパーニュをつくった歴史を持ち、いらい現在も革新的な商品を生み出し続けています。

若々しいさわやかさを持っています。


いかがでしたか?それぞれのメゾンにそれぞれのストーリーや個性のあるシャンパーニュ。

今はレコルタン マニピュラン(RMとラベルに記載のある)農家製少数生産の希少品も人気がありますが、大手メーカーのものは、その品質の安定性、信頼性に自信を持っています。

大切な方へのお土産に。

ご自分へのご褒美に。

年末はシャンパーニュを開けて、優雅な時間を楽しみませんか?

 

※情報は2015.12.18時点のものです

伊藤 治美さん

福岡市のレストランでソムリエとして勤務。2014年度公式ベネンシアドール(スペイン、ヘレス地方の特産品であるシェリー酒の専門職)認定試験に合格。福岡県内で2人目のベネンシアドーラ。シニアソムリエ、チーズプロフェッショナルの資格も持つ。プライベートでは2児の母。

伊藤さんのインタビュー記事⇒https://fanfunfukuoka.com/people/19834/

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