サンタは信じる人の元へ 目に見えぬものを大切に

近くにハトより小さく頭がボサボサしている鳥がいた。夫はヤマセミと言い、めったに姿を見せないという。近くにいるがなかなか会えない。サンタのようだ。

 

地域の小学校の読み聞かせでクリスマスの絵本を読んだ。子どもたちの感想は「サンタはいないよ」と予想外の言葉だった。ショックを受けた私が、中学の娘をつかまえてそのことを話すと、娘は真剣に答えてくれた。

 

「お母さん、サンタさんがいないと言う友だちはたくさんいるよ。でもね、それは大人もいけないんだよ。サンタさんを信じていない大人が子どもにサンタさんより先にプレゼントをあげてしまうんだよ。サンタさんは恵まれない子や信じている子どもたちにプレゼントを持ってくるでしょう?もらってしまっている子どものところには、わざわざ来ないよね」

 

娘はサンタの存在の本当の意味、そして気持ちまでも理解していた。昨年からわが家にはプレゼントが来ない。サンタに、自分よりプレゼントを必要としている子どもに自分の分もあげてくださいと頼んだからだ。サンタを通じて、娘の世界は広がり始めた。

 

「目に見えるものに価値を置く社会と、見えないものに価値を置くことのできる社会の違いをぼくは思った。そしてたまらなく後者の思想に魅かれるのだった」。写真家の星野道夫さんの言葉を思わずにいられなかった。

 

私もまた、目に見えないものに価値を置ける人、でありたいし、それによって世界が広がると信じている。今年のクリスマスも子どもたちはサンタさんへの手紙とお菓子を用意し布団へ入るだろう。雪が降ってきた。三瀬はホワイトクリスマスになるかもしれない。

 

※情報は2015.12.19時点のものです

小野寺亜希

神奈川県の海岸沿い、湘南で育つ。結婚を機に大手広告会社を退職し、福岡へ。九州の豊かな自然暮らしに魅了され「地に足がついた暮らし」を求めて佐賀市三瀬村に移住。養鶏「旅をする木」を夫婦で営む。娘2人。

小野寺亜希

神奈川県の海岸沿い、湘南で育つ。結婚を機に大手広告会社を退職し、福岡へ。九州の豊かな自然暮らしに魅了され「地に足がついた暮らし」を求めて佐賀市三瀬村に移住。養鶏「旅をする木」を夫婦で営む。娘2人。

関連タグ

この記事もおすすめ