春節の夜に起きた【北京タクシー事件】

愛する北京。

世界で二番目に好きな都市です。北京に来ると、事件が起こります。なにせスラム街出身なので、事件という言葉にロマンを感じてしまいます。

今回の滞在は、春節と重なりました。春節とは旧正月ですが、日本のお正月の倍くらいの日数をお休みしています。春節五日目くらいからの滞在でしたが、街はまだまだお祭りムード、人民は一切働きたくないモードです。

習近平国家主席が訪れたことで有名な肉まんやで朝食。

習近平国家主席が訪れたことで有名な肉まんやで朝食。

高鉄(前回参照)の北京東駅で下車し、ホテルにタクシーへ向かうのですが、普段は渋滞で一時間かかる道のりが、その日は20分ほどで到着しました。あんなに車の少ない北京は初めてで、遠くからは爆竹の音と打ち上げ花火が断続的に見えました。

ホテルからの眺め。天安門の直ぐそば。遠くで花火があがっている。

ホテルからの眺め。天安門の直ぐそば。遠くで花火があがっている。

ホテルで同行者と合流し、北京ダック店へ向かいます。小雨の北京、翌日はマイナス五度という予測の一日です。夜22:00、食事を終え、さて帰ろうと北京ダック店のスタッフにタクシーを呼んでもらおうとすると、無理だと言います。春節の夜なので、こんな時間に来てくれるタクシーはもういないというのです。どうせ嘘だろうと思い、そのまま出てタクシーを拾おうとしました。しかし、本当にいません。いや、いるのはいるのですが、止まらないのです。つまり、乗車拒否です。

日本でたまに、タクシーを止めようと手をあげたら、乗車中だった、みたいなことがあるじゃないですか。ああいうレベルではありません。しっかりと空車中の赤ランプが点いていて、こちらは極寒の小雨の中で必死に止まってくれと声を出しているのに、完全に無視されるのです。十数台、見事に無視です。運転手とは、しっかり目が合っています。その目には、バツの悪そうな様子は一切なく、あるのは彼らの強い意思、つまり、「お前らが困っていても、俺たちは春節の夜22:00過ぎは働かず家路に就くのだよ。」という強い意思です。そう、これが北京なのです。

北京。空気は澄んでいた。

北京。空気は澄んでいた。

結局、バス停を探し歩いて、来たバスに適当に乗車し、運転手に最寄りの地下鉄を聞いてそこから歩いてホテルに戻りました。Wi-Fiもなく、地下鉄の終電との闘いもあり、なかなかの冒険でした。無事にホテルの部屋に戻ってからはシャワーも浴びずにベッドに倒れこみました。遠くからは春節の打ち上げ花火の音が聞こえ、眠りに落ちながら、ああ、愛する北京にやってきたなと実感したのでした。

商談相手の中国人投資家に教えて貰った幸運のポーズ、『拜托』。

商談相手の中国人投資家に教えて貰った幸運のポーズ、『拜托』。

 

※情報は2016.3.7時点のものです

カミーユ綾香

北九州市出身。在日韓国人と中国残留孤児の多く住む多国籍な街で育つ。 警固インターナショナルの代表として、十数言語による語学スクールとインバウンド支援の多言語ウェブサイト制作会社を運営する一方、難病の重症筋無力症とパンセクシュアルというセクシュアリティの当事者として、様々なマイノリティの生きやすい社会を目指して精力的に活動中。http://www.kego-international.com/

関連タグ

この記事もおすすめ