オランウータンを守るために日本でできることは…

 オランウータンのミミと友達だ。と言うと、大概の人はぽかーんとする。でも事実なのだ。会いに行くと必ず寄ってきて私の顔をじーっと見つめる。ミミは福岡市動物園にいるオスのボルネオオランウータンで、私より3歳年上だ。私は餌代を支援する「動物サポーター」になっているほど園に通っている。

 

 実はずいぶん前に2カ月だけアルバイトしたことがある。毎朝前を通るとき「ミミちゃんおはよう!」とあいさつしていた。その目がいつも寂しそうで、次第に愛着が湧いてきた。オランウータンについて調べるようになり、ついには野生のオランウータンに会いにマレーシア・ボルネオ島まで行ってきた。

 ボルネオは世界で3番目に大きな島で、世界有数の生物多様性を誇る。オランウータンのほか、テングザルやボルネオゾウなどたくさんの固有種がいる。ボルネオに行く前は、生態系のピラミッドの頂点は人間だと勘違いしていた。ボルネオのジャングルでは、人間は無力だ。オランウータンは縄張りにある木の実がいつ熟すか全て把握しているそうだ。ジャングルで生き抜く力はオランウータンが上である。その森が木材伐採や油ヤシのプランテーションで減少し、オランウータンは間もなく絶滅するだろうという話を聞いた。

 プランテーションはパーム油を採取するためのものだ。パーム油は食品や洗剤など数多くの製品に使われ、私たちの生活には欠かせないものなのだ。だがミミの故郷を守るために何かしたい。そこで、私はボルネオから帰って来てからスナック菓子を絶った。熱帯雨林を再生することは難しいが、少しでもボルネオを守ることに貢献できればと思う。

 

※情報は2016.3.12時点のものです

西島亜木子

九州国立博物館(福岡県太宰府市)企画課アソシエイトフェロー。銀行勤務を経て、米国に留学、陶芸を学ぶ。2013年より現職。展覧会での分かりやすい解説パネルや体験コーナー、イベントなど企画を担当。趣味は長距離ウオーク。

関連タグ

この記事もおすすめ