先入観とロック~『意外性』についての哲学的考察

ハードロックカフェって、アメリカンで肉肉しいイメージでしょ。でも実は、野菜バーガーもあるのです。これが私の好物で、ベジタリアンとかイスラムの友人とかも食べられるのです。意外ですよね。はい、意外性の問題です。

 

先日、意外性について特急ソニックで哲学しました。

長崎駅から乗車して、自分の指定席に座ろうとしたところ、真後ろに外国人夫婦が乗車しておりました。ちょっと疲れており、シートを倒したかったので、後ろを振り向き、「すみません、シートを倒していいですか?(May I recline my sheet?)」と尋ねました。するとご婦人が、「Good English!」と答えました。そのとき、私は一瞬頭が?マークとなり、次の瞬間、むかついたのであります。

 

説明しましょう。

私は普段、英語と言わず様々な言語の飛び交う中にいます。海外にもよく行きます。スラム街出身で高卒のごろつきではありますが、外国語を話すのは日本語を話すのと同じくらい自然な環境にいます。その外国人は、私に「Good English」と言いました。ということはつまり、私(ゆで卵を抱えて長崎から特急ソニックに乗り込むアジア人)を見て、「英語を話せない日本人」と推測したのです。

だって、もしソニック内で後ろの人に「座席倒していいですか?」と聞いて「日本語お上手ですね」と答えられたら、はあ?と思うじゃないですか。そんな感じなのです。

要は、外国人から英語を喋られない人間だと先入観で推測されたからムカついたという、実に器の小さい話なのです。ですが、そのとき、怒りに任せてゆで卵の皮をむきながら、はっと気付いたのです。「というか、私も外国人に英語で話しかけているじゃないか…」と。

最初から英語で話しかけるということはつまり、私が勝手にその人は日本語能力がないと推測したからです。金髪碧眼ではありましたが、もしかしたら意外にもデーブ・スペクターのように日本語ベラベラかもしれない訳です。つまり私は、相手がデーブ並みである可能性も酌んで、日本語で話しかけるべきだったのです。

 

ハードロックカフェでベジタリアンバーガーを頬張りながら、そのときのことを思い出しました。店内には、逝去したプリンスが流れています。プリンス、ゲイっぽいでしょ?でも実はストレートで、二回異性と結婚しています。更に彼、ベジタリアンです。過去に世界で最もセクシーなベジタリアン一位に選ばれています。

ハードロックカフェ福岡。テイラースウィフトの衣装。

ハードロックカフェ福岡。テイラースウィフトの衣装。

ロックな店内の野菜バーガー、セクシーなベジタリアンのプリンス、ソニックの外国人…パープルレインを口ずさみながら、マイノリティの星として哲学する日なのでした。

 

ハードロックカフェ福岡

福岡市博多区博多駅中央街8番1号JRJP 博多ビル2F

7:00~23:00 (Last Order 22:00)

http://hardrockjapan.com/location/fukuoka/

 

※情報は2016.4.27時点のものです

カミーユ綾香

北九州市出身。在日韓国人と中国残留孤児の多く住む多国籍な街で育つ。 警固インターナショナルの代表として、十数言語による語学スクールとインバウンド支援の多言語ウェブサイト制作会社を運営する一方、難病の重症筋無力症とパンセクシュアルというセクシュアリティの当事者として、様々なマイノリティの生きやすい社会を目指して精力的に活動中。http://www.kego-international.com/

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