牛乳…飲む派?飲まない派?~ワインとチーズをもっと楽しく!

ご無沙汰しています。わたくし。ソムリエ伊藤は全ての飲料のうちワインが最も好きですが、2番目に好きなのは牛乳。毎日飲みます。

健康に良いから・・・というよりは「味が好きだから」なんですけども、今、お子様に「牛乳を飲ませない育て方」を選ばれるお母さま方も多いと聞きます。

 

そんな牛乳を今回は掘り下げてみましょう。

1.アレルギーと乳糖不耐症

・乳糖不耐症

牛乳を飲んだらお腹がごろごろするという方がいらっしゃいます。

人は赤ちゃんの頃、お母さんの母乳を分解吸収するための酵素を持っていますが、母乳を飲む必要がなくなるとその酵素が減ります。

日本人は昔から動物の乳を食生活に使用する文化が少ないためか、欧米人と比べると最初から、この酵素を持ち合わせない人も多いそうです。

そういった人が牛乳を飲むと、牛乳成分中の乳糖を分解できずお腹がごろごろしてしまう・・・これが乳糖不耐症です。

しかし。こういった人もヨーグルトではお腹がごろごろしないはず。

それは乳酸菌が乳糖を吸収しやすいように分解変化させているからなんですよね。

 

・アレルギー

アレルギーと乳糖不耐症は全く別物です。

牛乳のタンパク質の中にはβラクトグロブリンという成分が含まれます。

これは人の母乳には含まれないため、強いアレルゲンとなり危険です。

この場合はヨーグルトだろうと、チーズだろうと危険度は変わりません。

 

2.牛乳のいろいろな使い道

ではチーズ、ヨーグルト、バターの違いをご存知でしょうか?

世界で最も古い太古のチーズはヨーグルトのようなもので、それをそのまま食べたり、天日干ししてカチカチに固めたりして保存していました。

・ヨーグルトとフレッシュチーズの違いは?

牛乳1リットルからできるヨーグルトは1リットルなんですけども、そこから少しでも水を切ったらチーズなんです。

チーズっていろんな硬さのものがありますよね。カッチカチに固いチーズは水分をしっかり排出させたもの、柔らかくてヨーグルトのようなものは水分をそんなに排出させていないものです。

【チーズ】

・乳を乳酸菌や凝乳酵素で固めた後、ある程度水切りしたもの(主な成分は脂肪とタンパク質)

【ヨーグルト】

・乳を乳酸菌によって固めたもの(主な成分は脂肪、タンパク質、乳糖、乳酸)

さてさて。牛乳は搾って一晩放置すると脂肪分が上に浮いてきます。

脂肪は豊かな風味と濃厚な口当たりのもとになり美味しさには大きな役割を果たしますが同時に酸化しやすいので長期保存に向きません。

アルプスのように一冬超すための、大きくて保存可能なチーズをつくるためにはこの浮いてくる脂肪分を一部あるいはすべて取り除いてチーズを作る必要があります。

アルプス地方はこの取り除いた脂肪(=生クリーム)を輸出したり、そこからバターをつくって販売しています。

【クリーム】

・乳中の脂肪分を集めたもの(主な成分は脂肪)

・ケーキに使うホイップ用は脂肪分が30~48%と高く熱に弱い。

・コーヒーに入れるものは脂肪分18~30%くらいで、酸や熱に強いのが特徴です。

【バター】

・クリームを攪拌して脂肪を塊として取り出したもの(主な成分は脂肪)

※200mlの生クリームからバターは約80gできます。

 

3.では牛乳は?

牛乳をそのまま飲む場合もいろんな種類がありますよね。

・ホモジナイズドとノンホモ牛乳

先に触れたように、牛乳を絞ってそのまま放置しておくと、脂肪分が上に浮いてきます。脂肪が浮いてこないよう均質化することを「ホモジナイズ」と言います。

ホモジナイズはただ、均質化して脂肪が浮いてこないようにするだけではありません。

均質化する際、脂肪球を細かく壊すので、消化吸収が良くなる半面、急速に体内にことになってお腹がごろごろしたりする場合もあるそう。

ノンホモ牛乳はこの、均質化を行わずに製品化していますので、パックを開けた時に最初ヨーグルトのようになった脂肪の塊がぼこっとコップへ出てくることもあります。

ノンホモの牛乳は大きな脂肪球が大きなままですので、ゆっくり消化吸収され、乳糖不耐症の方でもお腹がごろごろしない場合もあるそうです。

 

・パスチャライズ牛乳と高温殺菌牛乳

現在スーパーで販売されるほとんどの牛乳は120℃~130℃で数秒、高温殺菌されています。

高温のため牛乳に含まれるたんぱく質やカルシウム分は変質していますし、乳酸菌も壊れています。

パスチャライズとはもう少し低い温度でゆっくり殺菌する処理で、有用な成分の変質を最小限に抑えると同時に、品質管理が難しく、購入したら必ず冷蔵管理して早めに消費しなければいけません。

「生きたミルク」のおいしさを味わえる牛乳です。

一口に牛乳・・・といっても実に様々。

残念ながら、「栄養補給のため」という視点で牛乳を見た場合、高温殺菌してホモジナイズされた牛乳は栄養補給目的の大部分を占めると思われる「タンパク質」と「カルシウム」がすでに変質している場合が多いのが事実。

ですが、現在は品質管理や本来の味わい、自然なものであるという観点から日本のあちことの牧場で美味しいノンホモ牛乳。パスチャライズ牛乳を生産しています。

 

と、いうことで

今回ご紹介させていただきたいのが熊本県、黒川温泉ちかくの牧場「高村武志牧場 山吹色のジャージー牛乳」。

低温殺菌でノンホモ。愛情のこもった素晴らしい牛乳の生産者のおひとりです。

今回の地震で卸先が激減するなど、少なからず被害を受け最近やっと工場が再開されました。

本物の牛乳のおいしさを、違いを感じつつ味わってみてはいかがでしょうか?

 

「黒川温泉 山のいぶき」

http://www.yamanoibuki.com/?Mode=pc

 

※情報は2016.5.2時点のものです

伊藤 治美さん

2014年度公式ベネンシアドール(スペイン、ヘレス地方の特産品であるシェリー酒の専門職)認定試験に合格。福岡県内で2人目のベネンシアドーラ。シニアソムリエ、チーズプロフェッショナルの資格も持つ。プライベートでは2児の母。

伊藤さんのインタビュー記事⇒https://fanfunfukuoka.com/people/19834/

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