【Yasuyo Susukida】スウェーデンの「ヘン」 「彼」でも「彼女」でもない中世代名詞が増えた

3回にわたって「変」について書いてきました。最近スウェーデンに移住した友人と話していて驚いたのですが、スウェーデンでは「ヘン」によって大きな変化が起きているようです。

男女平等の先進国を目指すスウェーデンでは、人称代名詞として彼「ハン」でも彼女「ホン」でもない、中立的な「ヘン」が1960年代に登場しました。2012年には代名詞がすべて「ヘン」の文学作品が発表され、この代名詞を目にする機会が一気に増えたそうです。

これはまさに大きな「変」だといえます。しかしこれがチェンジ(変化)なのかストレンジ(変な、おかしいこと)なのかは人によって受け取り方が大きく異なるようです。後の時代から見て、このことがどのように歴史的に位置づけられるのかも分かりません。

ただ確実に「ヘン」は浸透してきています。時代が「ヘン」を必要としたのか、はたまた「ヘン」が新しい時代をつくろうとしているのか。代名詞を「ヘン」に限定している幼稚園や、性別が分からない人形など、スウェーデンの例は私にとって少し衝撃的ではあります。

実は日本語も同じような性質があります。先日、ある方に「日本語は難しい。あまりに多くの新しい言葉が毎年毎年出てくるから」と言われました。6カ国以上の言葉を操る彼女をもってしても、変化する言葉についていくのは並大抵のことではないようです。言葉も時代によって「変」を繰り返すのですね。

変化していく価値観は決して人ごとではありません。スウェーデンの人と出会ったら、私はどう迎えればいいのか。「ハン」「ホン」、それとも「ヘン」?

from西日本新聞「わたし活性化計画」面

※情報は2014.2.22時点のものです

薄田 泰代

異色コラボの魔術師。灰×枯れ木=花の「花咲かじいさん」を尊敬し、今ある資源を生かすまちづくり助っ人。80歳も夢を持てる社会を目指す「がめ煮女子会」、違いを認め合える社会を目指す「最変端ノ会」など、多数主宰。

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