落語と四季……夏 アマチュア落語家の粗忽家勘心の「初めての落語」vol.10

こんにちは、アマチュア落語家の粗忽家勘心です。

暑中お見舞い申し上げます。
夏がやって来ました。
皆様、お身体はお変わりなく元気になさってますか?
熱中症にはくれぐれもお気をつけて下さいませ。

「四万六千日(しまんろくせんにち) お暑い盛り……」と言えば夏の落語の定番「船徳」
「植木屋さん、ご精が出ますな」と来たら初夏の爽やかな描写がいい「青菜」
「碁敵は憎さも憎し 懐かしい」これは梅雨の噺でしょうか「笠碁」

落語に限らず古典芸能には季節感がつきものです。
季節外れの演目をやるのは野暮。
噺家さんもその季節に合った噺をします。
夏なら上にあげた噺以外にも、「かぼちゃ屋」「たが屋」「夏の医者」「千両みかん」「佃祭」などなど……

 

もちろん、噺だけでなく、着物も絽や紗の薄物で涼しげに。
いいですよね、そういうの。
今は地球温暖化のせいでしょうか、夏と冬がぐぐっと大きな顔をしていますが、昔は四季がはっきりしてたから、夏の暑さもそれなりに楽しめたものでした。

風鈴を下げる、打ち水をする、朝顔を育てる、金魚を飼う、花火、船遊び、夕立ち……


そんな場面が落語にはたくさん登場します。
それを味わいながら噺を楽しむとあら不思議、アッという間に江戸の世界へ入ってしまいます。
乙ですねぇ……
???
乙ってなぁに?
はい、そんな質問大歓迎!!
そんなひと言ひと言に関心を持つと、古典芸能というのは面白く感じるんですよ。

乙は、甲 乙 丙 丁 の乙。
「順番」「優劣」を表す日本語ですね。ランクと言えばわかりやすいかな?
今なら、A B C D や 1 2 3 4。

イメージとしては、甲が一番、甲が正統、甲が優秀。乙は甲の下。
でも、粋な江戸っ子はこれ見よがしなものを嫌いました。
そういうものを「くさい」として敬遠したんですね。
ちょっと外した方が洒落てる、粋だ、鯔背だとして好んだんです。
(鯔背(いなせ)についてはまた次回に(^^))

邦楽(昔からの和楽)で正統とされる高い音を甲(かん)といいます。邦楽の基準になる音です。
基準になる音なんですが、江戸っ子はちょっとこれを嫌った。
だから「甲(かん)高い」という言葉は、ちょっと良くないイメージで使われますね。
うるさい、耳障りな「甲高い音」
この「甲」より少し下の低い音が「乙」
うるさくなく、耳にやさしく心地よいんです。
「あぁ、いいねぇこの音は。これくらいがあたしゃ好きだねぇ」
「あたしもですよ、甲が基準ってのはわかるけどちょっとキツいねぇ」
「そうそう、ちょっと低いこれくらいがいいよ、この音は あれだろ?乙だろ?」
「はい、乙ですねぇ」
これが「乙だねぇ」の語源でありんすよ。
「へぇー」と思っていただいたなら、夏の落語を聞きましょう。
夏の落語には乙な情景がたくさん描かれています。

「先ほど植木屋さんが水を撒いてくだすったおかげで、青いものを通してくる風がひときわ気持ちよくなりましたよ。素人じゃこうはいかない、うちの連中に水を撒かせても葉っぱからボタボタと水がしたたって無粋な水溜まりができるばかりだ。さすが職人さんだねぇ」
乙ですねぇ(^^)

 

「第五回ひなたの会 笑福亭べ瓶、桂の紋二人会」
~上方の桂の華さす 福の瓶~


大野城会場 9月3日(土) 大野城まどかぴあ 14時開演
高宮会場 9月4日(日) アミカス高宮 14時開演
前売り1900円 当日2500円
予約、問い合わせは 070-5813-7965
メール w07058137965@willcom.com

※情報は2016.7.22時点のものです

ずぼら横丁落語あれこれ

 「落語って難しそう」「聴き方がよくわからない」「古い言葉がたくさん出てきそう」…

日本人なら誰でも知っている「落語」という単語。

でも、ひとつの噺を最初から最後までちゃんとじっくり聞いたことがある人は意外と少ないのが、落語。

いえいえ、落語はとっても簡単。肩の力を抜いて気楽に聞けばそれでOK。

のんびり聴いてれば、いつの間にか江戸の世界に浸っているはず。

若いお客様にもそうやって落語に親しんでいただくために、アマチュア落語家 粗忽家勘心がのらりくらりと解説致します。

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