現役教師が考える「『人を殺してはいけない』と教えるということ」

また殺人事件が起こった。

16歳だ。

人間として、教育者として頭が痛い。

背景が何であれ、どんな理由があれ、

人を殺してはいけない。

「人を殺す。」

この言葉を使うだけで胸が苦しい気持ちになる。

私はそんな人間を育てたいのだ。

もちろん、それは私が教育したい一部ではあるが。

殺人が100%悪い、ということを論理的に説明するのは難しい。

なぜなら、戦争中に殺人することは認められている悲しい現実があるからだ。

今、

「それっておかしいよな…」

と思っているあなたは、心が通った人間だと言える。

そんな環境に育った自分に感謝の気持ちをもってほしい。

そうだ、環境が人間を育てるのだ。

あなたが

「殺人はダメ」

と思えるのは、殺人はしてはいけないということを、どこかできちんと教えてもらったからだ。

もう一度言う。

「殺人がダメということを、きちんと教えてもらったからだ。」

これは知性的にだけ教えてはいけない。感性(心)に訴える教えでないといけない。

殺人がダメな理由を思いつく限り書いてみる。

・命がなくなる

・夢がついえる

・家族や親族、友達、先生、これまで関わった人が悲しむ

・殺した本人の人生も台無しになる

・殺した本人の家族などの周りにも多大な迷惑をかける

・社会に不安を与える

・先祖に申し訳が立たない

・子孫にも。

環境が人間を育てる。

岡 潔さんという日本の数学者がいた。

この方は、数学者でありながら数々の随筆を書き残している人である。

岡 潔さんは生前、

「人間の中心には情緒がある。」

と話してあった。

岡さんが言う情緒とは、心のことであり、数学者が

「人間の中心には情緒がある。」

と言っていたのだ。

このようなことを語っていたのは1970年ぐらいの話である。

今から40年以上前にこのようなことを考えていたのがすごい。

では、情緒(心)をどう育てるか?

岡さんは次のように述べている。

「琵琶湖の魚が泳ぎ方を覚えるとき、周りに泳いでいる魚の泳ぎ方を自然と真似して泳ぎを覚えるものだ。情緒(心)を育てるというのはそういうことだ。」

と。

これは教育環境の大切さを話しているのだ。

最大の教育環境は人間だ。施設や自然も環境だが、

最大の教育環境は人間なのだ。

どんな人間が人間を育てるか、だ。

環境が人間を育てる、

でもあるが、

環境が

人間に

育てる、のだ。

心通う人間に。

私たち大人は、きちんと教えているだろうか。

人を殺してはいけないということを。

論理的にだけでなく、心に訴えるように教えているだろうか。

わざわざそんなことを教えなくていいのではないかと、

うちの子は大丈夫だと、

タブーにしてしまってはいないだろうか。

親子できちんと向き合って話してほしい。教えてほしい。

どれだけ悪いことなのか、心に訴えてほしい。

現役教師からのお願いである。

夏休みが終わる。

もう新学期が始まっているところもあるだろう。

大人たちよ、

子どもたちみんなが笑顔になる、そんな社会をみんなで創っていこう。

私たちなら、きっとできる。私はそう信じている。

※情報は2016.8.26時点のものです

ヒデト☆ティーチャー

中学1年のころ、イジメ自殺問題をニュースで見て学校を変えたい!」と教師を志す。大学時、学校と社会をつなぐ教師になる!と決める。子ども達と一緒にみんなで同じ目標をもって、学習、活動をするのが大好き。現役の小学校教諭。高校、大学時代はラグビーに熱中。『ラグビーに受けた恩は、ラグビーに返す。』2019年ラグビーワールドカップ日本開催に向けて尽力している。

関連タグ

この記事もおすすめ